生物クチキゴキブリが編み出した新奇な戦略
屋内に現れ、苦手な人が多い茶色の昆虫、ゴキブリ。日本には 50 種類以上のゴキブリが生息していますが、そのうち人家に現れ衛生害虫とされるものは、実はたったの数種類しかいません。クチキゴキブリは、人家には棲みつかない森林性のゴキブリで、普段は朽ちた木の中で生活しています。このクチキゴキブリの一種であるリュウキュウクチキゴキブリが、これまで他の生物では見つかったことのない不思議な行動をとることを、システム生命科学府 生態科学研究室の大崎さんと大学院理学研究院 生物科学部門の粕谷 英一 准教授が発見しました。この行動とは、オスとメスが交尾の前後でお互いの翅を食べてしまい、その後は二度と飛べなくなってしまう、というものです。「交尾時」に「食べる」行動として、性的共食いや婚姻贈呈という繁殖戦略が知られていますが、今回見つかった翅の食い合いはこれらには当てはまらず新たなカテゴリーに分類される可能性があります。
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