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九大理学部ニュース(分野別:数学)

数学最小限の測定データから有用な遺伝子を見出す

沖永 悠一

Abstract d8a1663b

遺伝子は、しばしば「生命の設計図」とも呼ばれるように、そこに書かれた情報をもとにタンパク質が合成され、生物の様々な性質や機能が現れています。そのため、どの遺伝子が作用して、どのような性質 (形質) が現れているのかを同定することができれば、体質や病気のかかりやすさなどを調べることができます。しかし、この同定には、いくつかの難しいポイントがあります。まず、調べるべき遺伝子の数が現実的な測定データの数を大きく上回ってしまうこと、そして、遺伝子は他の複数の遺伝子と相互作用して、複雑に関係しあっていることです。そこで、沖永悠⼀さん (研究当時、数理学府数理学専攻 廣瀬研究室 修⼠課程) と九州⼤学マス・フォア・インダストリ研究所の廣瀬慧准教授は、⿓⾕⼤学農学部の永野惇准教授、 兵庫県⽴⼈と⾃然の博物館の京極⼤助研究員、トヨタ自動車株式会社の近藤聡⽒との共同研究で、相互作用する遺伝子の繋がりを考慮した擬似的な測定データをランダムに生成し、どれほどの測定データがあれば十分な精度で遺伝子の同定が可能かを計算しました。

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数学数理モデルが明らかにする情報と人々の動き

吉田 明広

Abstract 9525f2bb

Web サイトが魅力的なものかどうかを示す指標として「アクセス数」や「平均滞在時間」などがあります。SNS においては「いいね」の数が多いほど、多くの人々の目に留まったことを示しているでしょう。仮に「アクセス数」が少ないとしても、特定の人々に対しては非常に魅力的な Web サイトである場合もあります。数理学府 数理学専攻 藤澤研究室の吉田さんらは、ヤフー株式会社との共同研究で、ネットサーフィンをするユーザーの動きをグラフ理論・数理最適化・統計学を用いて解析し、Web サイトの新たな魅力度を表す指標を提案しました。本指標により、各ユーザーに価値のあるコンテンツ (つまり「おすすめ」) の提供が、より効果的に行えるようになると考えられます。また、Web サイトの解析に限らず、吉田さんらは、実社会の様々な問題の解決に数理最適化などの数学を用いて取り組んでいます。その一例として、自転車シェアリングサービスの自転車再配置最適化の研究を後半で紹介します。これらの技術は、超スマート社会 (Society 5.0) の実現に向けたコア技術として注目されています。

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数学素数の近似公式を果たす「ゼータ関数」

アデ イルマ スリアジャヤ

Abstract 1a465f5c

「素数」と聞くと、わたしたちの生活とかけ離れたもののように思われるかもしれません。しかし、実は情報社会が成り立つためには素数が無くてはならない存在であり、通信の安全性は素数によって保たれているのです。本稿では、そんな素数が魅せる不思議な世界について数理学研究院のアデ イルマ スリアジャヤ先生に解説していただきます。素数とは何なのか? どれくらいたくさんあるのか? という素朴な疑問からはじめて、「素数の分布」と数学界の未解決問題「リーマン予想」のつながりや先生ご自身の研究に至るまで、ワクワクするような数学の物語へと飛び込んでみましょう。

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数学数学で導くハイブリッド車の最適な制御

立岩 斉明

Abstract ec7bf37d

ハイブリット車の開発現場では、モデルベース開発 (MBD) が主流となっています。MBD ではシミュレーション上に車を再現して、テストコースを走行させることで燃費性能を測ります。その際に、車の性能を最大限に引き出すようにシミュレータを制御することが重要となります。従来はシミュレータの制御法を人の手でチューニングしており、シミュレータの一つ一つに対して手作業で制御を最適化してきました。しかし、この方法にはかなりの時間がかかり、またシミュレータが新しくなるごとに再調整しなければならないという問題を抱えていました。そこで我々は、シミュレータ制御の最適化を「グラフ上の制約付き最短経路問題」という数学の問題に焼き直し、その問題を解くプロセスを自動化することで、従来よりも高速で汎用的なアルゴリズムを開発しました。

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数学世界初!60次元の格子暗号を解読

高木 剛

格子暗号は次世代国際標準暗号の有力候補です。その安全性評価のため2016年6月にスタートした暗号解読コンテストで、世界で初めて60次元の格子暗号問題を解読しました。総当たり方式ならば解読までに一万年以上かかる問題を、効率的な手法により約16日で解くことに成功しました。

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数学ビッグデータ処理で世界1位

藤澤 克樹

大規模なグラフを処理するソフトウェアを独自に開発し、「京」コンピュータやTSUBAME2.5などの様々なスーパーコンピュータ上でビッグデータ処理性能を計測するGraph500及びGreen Graph500ベンチマークテストを実施した結果、両者において世界1位となりました。

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数学計算機との上手なつきあい方

横山 俊一

海外で利用が進む計算代数システムMagmaの日本での普及に向け、Magmaに関する研究集会が10月に九州大学伊都キャンパスで行われた。そこで、主催者の一人である数理学府の横山さんにMagmaが数学の研究でどのように使われ、どのように役立つのかを、フェルマーの最終定理の証明を題材に説明してもらった。

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数学ゼータ値巡回和の代数的証明

田中 立志

多重ゼータ値の間には巡回和公式と呼ばれる公式が成り立つことが知られているが、その証明方法はこれまでひと通りしか知られていなかった。本研究では、この巡回和公式を代数的に捉え、“川島関係式”と呼ばれる公式に帰着させることで解析法によらない普遍的な証明を与えた。

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数学素数が素数でなくなるとき

吉田 学

素数は数の性質を考える上でとても重要だが、実はどのような数の集合の中で考えるかで素数であるかないかが変わってしまう。数理学府の吉田さんは、素数が素数でなくなる度合いを表す手法の1つを洗練し、より正確な度合いの測定を可能にした。

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