物理水の物理化学から環境科学の問題に挑む
水は、私たちの身の回りのいたるところにありふれています。そのため、生命活動や自然界の物質循環は、様々な物質を溶かしたり状態変化したりする水の物理化学的な性質を有効に活用しています。私たちも、自然界にならって水の様々な性質を利用し、生活を豊かにしてきました。そんな生活に根付き、毎日利用している水ですが、その物理化学的性質は未だ完全に理解されたとは言い切れません。例えば、疎水性界面と呼ばれる、水と空気などが接した境界面では、ジョーンズ・レイ効果と呼ばれる表面張力に関する現象が知られており、そのメカニズムについては未解決のままとなっていました。そこで、物理学部門 複雑物性基礎研究室の植松 助教らは、水に溶け込んだ微量な不純物が疎水性界面に吸着することを考慮することにより、ジョーンズ・レイ効果のみならず、その他の疎水性界面の特性も統一的に説明できることを示しました。この研究成果が認められ、植松助教は福井謙一奨励賞を受賞しました。水の物理化学研究の今後の展開について、社会との繋がりも交えて、植松助教にお話ししていただきます。
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