化学酸化チタン電極上で起こる逆分極熱電変換
近年、IoT 家電やウェアラブル端末の電源として、活用の難しい低温の熱エネルギーを利用した熱電変換が期待されています。特にこの低温の熱エネルギーを電気エネルギーに変換する方法として可逆な酸化還元反応を利用する熱化学電池といわれる熱電変換手法が注目されるようになりました。そこで、私たちの研究室 (化学専攻 ナノ機能化学研究室) でこれまで研究してきたカルボン酸の電気化学的な酸化還元反応を応用して、資源量が豊富な酸化チタンと体にも含まれている乳酸やピルビン酸といった生体親和性の高い材料を使った新しい熱化学電池を構築し、その性能の測定をしました。さらに、この熱化学電池の反応では熱力学的な理論とは逆転して反応が起こることを発見し、この逆転に電極上に吸着した水素が重要であることを明らかにしました。
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