生物HIV 感染症における多重感染現象の理論的研究
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の遺伝子は驚異的な多様性を示します。この多様性をもたらす原因の1つとして、多重感染が注目されています。多重感染のメカニズムはウイルス感染実験により調べられており、その様相が明らかになりつつありますが、定量的な理解はいまだ確立されていません。数理生物学研究室の伊藤さんらの研究グループは、細胞の感受性が細胞ごとに不均一であることへ着目し、感受性の連続的な分布を取り入れた数理モデルを構築しました。ウイルス感染実験から得られたデータを数理モデルで解析することで、HIV 多重感染数が負の二項分布に従うことを示し、感染細胞集団中での多重感染細胞の割合は最大40%であることを明らかにしました。
続きを読む