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未来の科学者養成講座の開校式(8月22日)
開校式の写真   開校式の写真   開校式の写真
 2009年度より、高校1・2年生を対象に「未来の科学者養成講座:エクセレント・スチューデント・イン・サイエンス育成プロジェクト」を開始しました。今年は、21名の受講生が選ばれました。写真は、8月22日(土)に行われた開校式の模様です。開校式では、理学部長補佐より挨拶があり、「これから勉強する上で分からないことも多々あると思いますが、そういう時こそ、積極的に質問をしてください。」との訓示がありました。
 このプロジェクトでは、理科に関心のある高校生諸君により深い思考力を身につけてもらい、エクセレントな科学者の卵になってもらうのが目的です。積極的に参加しませんか。来年度もこのプロジェクトを続ける予定です。また、この公開講演会は一般参加も受け付けています。

プログラム
   
少人数セミナー セミナー新着情報
いよいよセミナーが始まりました(9月12日、19日)
数学セミナー
数学セミナー 数学セミナー
 数学のセミナーでは、講義と演習が中心です。代数的組合せ論の代表的な問題である球充填問題に挑戦しています。ティーチングアシスタントの大学院生の手厚いサポートもあり、自ら一生懸命考え、よく質問し、レベルの高いセミナーとなっています。既に挑戦的な研究課題にも取り組んでおり、学術論文レベルの結果を出すのも夢ではないかもしれません。「難しいがやりがいがある」という声があがっています。

物理セミナー
物理セミナー 物理セミナー
 物理のセミナーでは、講義と演習が中心です。第1回目は物理に必要な数学の知識としての微積分について、第2回目は運動方程式についてのセミナーを行いました。微積分は高校の数学とは異なった方法で講義されたので、最初はかなりとまどっていましたが、講義のあとでTAとの個別の質疑応答を行ったおかげで、だいたい理解できたようです。「高校の数学では何のためにやっているかは教えてくれないが、このセミナーではそれがはっきりわかったので楽しかった」という声があがっていました。

化学セミナー
化学セミナー 化学セミナー
 化学のセミナーでは、大学に入ってから習う原子の構造と電子配置、原子軌道や電子殻などの講義からスタートしました。量子力学の結論の部分なので抽象的で分かりにくいようでしたが、その理論が周期律表の形や元素の並び方などにも反映されていることが分かり具体的なイメージがつかめると、「面白い」という声があがっていました。セミナーでは理論の勉強だけでなく、オリーブオイルからの石鹸作りなど実験も行っています。「楽しい実験」は化学者の基本で、きれいな石鹸ができると歓声が上がっていました。

生物セミナー
生物セミナー 生物セミナー
 生物のセミナーでは、最近の生物学分野の多面性を考え、セミナーを4名の講師が分担し、分子生物学と神経生物学、ミツバチの行動、光と植物、ショウジョウバエの行動と遺伝、をテーマにして、講義、見学、実験を交えて、大学の生物学科の講義、研究の現場を体験する内容で実施しています。参加する高校生は、この中から1つを修了時の発表テーマとして選び、各セミナー終了後も担当教師と連絡を取り合って発展的に担当内容に取り組むことにしています。生物学分野への関心が自分の興味中心になっている生徒も、自分の興味と違う分野のセミナーにも高い関心を示し、自主的な学習、積極的な質問をしています。
10月。セミナーも佳境に入り、大学の講義にも慣れました。
数学セミナー
数学セミナー
 数学のセミナーでは代数的組合せ論と呼ばれる分野の典型的な問題である「球充填問題」に取り組んでいます。おおざっぱに言えば、n次元ユークリッド空間の単位球の回りに、それと接し、かつ互いに重なり合わないように半径1の球を最大何個置けるか?という問題を考察します。nが8と24を除く5以上の整数のときに、それがいくつになるかは未解決問題ですが、今後果敢にチャレンジしていきます。

生物
物理セミナー

 講義中、みんな真剣にメモを取っています。分からないところや興味深いところがあると、質問をして先生の話を一生懸命聞いていました。
 また、研究室ではネズミを使った「記憶」の実験を行いました。みんな真剣に実験を見学していました。


プロジェクトも半分を消化し、難しいテーマにもチャレンジしています。
数学セミナー(第5回目、11月14日)
数学セミナー
 真剣に先生の話を聴いています。 講義中: 具体的な例を計算しながら理解を深めます。
 数学のセミナーでは「球充填問題」の未解決問題に挑戦するべく学習を進めています。今回は、その問題の既知の場合について考察し、現在取り組んでいる問題への理解を深めました。
数学セミナー(第6回目、11月28日)
数学セミナー
 数学のセミナーではいよいよ具体的に未解決問題が3つ提示され、解決に向けた取り組みが始まっています。先生の熱の入った講義をみんな真剣に聞き、問題を一生懸命考えています。
数学セミナー(第7回目、12月12日)
数学セミナー
数学のセミナーでは、3つの未解決問題の解決に向けて取り組んでいます。今回は、高校生が未解決問題の今までの成果を発表しました。その時の活発な議論を通して、各自の取り組むべき課題が明確になりました。
 さらに後半では、問題に関する歴史の話や多数の参考文献も紹介され、問題解決へのモチベーションがあがりました。今後、未解決問題の全面的な解決に向けて邁進していきます。



生物セミナー(第4回目、11月7日)
生物セミナー
 いよいよ昆虫観測に挑戦です。

 偏光板を用いて、昆虫の目を体験しています。この性質を利用して昆虫はえさ場などの位置を記憶しています。

生物セミナー(第5回目、11月14日)
物理セミナー

 昆虫は目の構造から、どのようにして見ているのか。また距離をどのようにやって計っているかなど、様々なことを学びました。


九大に通いだして、ついに年を越しました。心機一転がんばりましょう。

数学セミナー(第8回目、12月26日)
数学セミナー
 最初に、前回に引き続き3つの未解決問題について、高校生が成果を発表しました。後半では、3次元空間の単位球の回りに、それと接し、かつ互いに重なり合わないように半径1の球を最大12個しか置けないことの証明が途中まで説明されました。高校では平面上の3角形に対して正弦定理、余弦定理を習いますが、ここでは球面上の3角形に対して成り立つ正弦定理、余弦定理を使って証明をしています。
数学セミナー(第9回目、1月9日)
数学セミナー
 今回も最初に3つの未解決問題について、高校生が成果を発表しました。後半では、凸な多面体の点の数v、辺の数e、面の数fが、v-e+f=2を満たしていること(オイラーの定理)の証明や、Newton-Gregory の 13 球問題(3次元空間の単位球の回りには、それと接しかつ互いに重なり合わないように半径1の球を最大12個しか置けないだろうという予想)に対するLeechによる証明について説明されました。
数学セミナー(第10回目、1月23日)
数学セミナー

 前半では、Newton-Gregory の13球問題に対する Leech の証明の概要の残りの部分が、前回証明したオイラーの定理を用いて完成しました。細かい部分の証明は、研究課題として残され、生徒なりの解答が待たれます。
 後半では、以前より考察していた3つの未解決問題について、計算機を用いた部分的な結果が示され、新たな未解決問題も提示されました。

公開講演会 講演会新着情報
第1回公開講演会(8月22日)
◎「電気を流す有機物」 森初果准教授(東京大学) >講演の資料はこちら
◎「花の性とヒトの進化」矢原徹一教授(九州大学) 
森先生の講演風景 矢原先生の講演後の質問風景
 森先生の講演風景  矢原先生の講演後の質問風景
 開校式の後に行われた公開講演会の模様です。森初果准教授(東京大学)による講演「電気を流す有機物」、矢原徹一教授(九州大学)による講演「花の性とヒトの進化」が、1時間ずつ、公開講演会の形で行われました。講演後には、受講生より積極的な質問が幾つも出され、自由参加された一般の方も微笑ましく、その様子を見守っていました。受講生は、9月から3月まで、希望する教科(数学、物理、化学、生物のいずれか)に関して、月2回のセミナーを受けることによって、研鑽を積みます。一般の方を対象に、今後3回の公開講演会(10月17日、12月19日、2月20日)を予定しています。是非、ご参加ください。

第2回公開講演会(10月17日)

◎「切り口の数理〜日常のなかの楽しい数学のお話〜」 平田典子教授(日本大学) 
  >講演の資料はこちら
◎「酸、塩基の水溶液のpH」蔵源一郎名誉教授(福岡教育大学) >講演の資料はこちら2

平田先生の講演風景 平田先生の講演風景
 平田先生の講演風景  
蔵先生の講演風景 蔵先生の講演風景
 蔵先生の講演風景  
 10月17日に開かれた2回目の講演会の模様です。平田典子教授(日本大学)による講演「切り口の数理〜日常のなかの楽しい数学のお話〜」と蔵源一郎名誉教授(福岡教育大学)による講演「酸、塩基の水溶液のpH」が、1時間ずつ、公開講演会の形で行われました。この講演会には、熊本第二高校の生徒さんも多数参加してくれました。
 平田先生の話では、ソーセイジを具体的に斜めに切って見せて、その展開図がどのような形になるかを、予測させるものでした。答えは、意外なもので、歓声が上がっていました。皆さんも考えてみてください。
 蔵先生の話では、pHの計算の仕方が分かり易く説明されていました。参加した高校生諸君は、熱心に電卓に向い、答えを出していました。素晴らしい集中力でした。
 みなさん、参加を待っています。

第3回公開講演会(12月19日)

◎「宇宙のはじまりと元素の起源 ― 時間・空間と物質を統一する ―」 梶野敏貴 准教授【国立天文台理論研究部】 >講演の資料はこちら
◎「生きたまま体の中を観察できる探索分子の作り方と活用」鈴木正昭 副センター長【独立行政法人 理化学研究所神戸研究所 分子イメージング科学研究センター】>講演の資料はこちら

梶野先生の講演風景 梶野先生の講演風景
 梶野先生の講演風景  
鈴木先生の講演風景 鈴木先生の講演風景
 鈴木先生の講演風景  

 12月19日の開かれた3回目の講演会の模様です。梶野敏貴准教授(国立天文台理論研究部)による講演「宇宙のはじまりと元素の起源 ― 時間・空間と物質を統一する― 」と鈴木正昭副センター長(理化学研究所神戸研究所分子イメージング科学研究センター)による講演「生きたまま体の中を観察できる探索分子の作り方と活用」が、1時間ずつ、公開講演会の形で行われました。この講演会には、保護者の方も参加して下さいました。
 梶野先生の話では、我々の住む宇宙がどのようにしてできたのか、そして、その宇宙を支配する物理法則はどのようなものかという壮大なもので、少し難しかったけれども、参加した学生諸君は興味津々で聞いていました。
 鈴木先生の話では、梶野先生の話にもでてきた陽電子が発生する分子を作って人の脳や生物の体の中を調べる研究が紹介されました。高校時代や2人のノーベル賞学者との研究生活のエピソード、サルの代わりに自分が実験台になった話など高校生の皆さんは笑いながら聞いていました。


○当日は、公開講演会のあとに懇談会を設けました。
生徒との議論 保護者との意見の交換 生徒との会談
 生徒との議論  保護者との意見の交換  生徒との会談

 公開講演後、懇談会を開きました。プロジェクトを半分終えたところで、貴重な意見交換になりました。大学レベルの学問内容・研究内容の面白さを実感し始めているようです。参加された方に感謝を申し上げます。


第4回公開講演会(2月20日)

◎「Hey!Hey!平方根!」繁木伸孝 教諭【福岡県立小倉高等学校】>講演の資料はこちら
◎「ヒトの進化!がん細胞の進化? -分子生物学研究から見えてくるもの -」藤田雅俊 室長【国立がんセンター研究所ウイルス部】>講演の資料はこちら

梶野先生の講演風景
 繁木先生の講演風景
鈴木先生の講演風景
 藤田先生の講演風景
 2月20日の開かれた4回目の講演会の模様です。今年度の最後の公開講演会です。繁木伸孝教諭(小倉高校)による講演「Hey! Hey! 平方数!」と藤田雅俊室長(国立がんセンター研究所)による「ヒトの進化!がん細胞の進化?−分子生物学研究から見えてくるもの−」が、1時間ずつ、公開講演会の形で行われました。
 繁木先生の話では、平方数の面白さを大学入試問題を例にして、分かり易く解説してくれました。生徒達は、夢中になって問題を解いていました。講演中に、生徒に頻繁に話しかけ、議論をするという画期的な講演会でした。すばらしいの一言です。
 藤田先生の話は、癌とは何かという疑問を、生物学の視点から分かり易く、例題を交えて、教えてくれました。研究の最先端ではなく、基本的な話に力点を置かれたため、分かりやすい話でした。この講演でも、生徒に話しかけ、意見を聞くことがしばしば行われ、すごく新鮮でした。
 講演後の質問も活発で、生徒諸君の成長を目の当たりにしました。頼もしい限りです。

   
研究発表会 発表会新着情報

研究発表会

 本プログラムの集大成として、生徒発表会を3月20日(土)に13持から17時まで行いました。持ち時間は、一人あたり10分(講演8分+質疑応答2分)です。この発表会には、保護者や高校の先生も多数参加してくれました。お子さんの雄姿をビデオ撮影している方もおられました。
 いずれの発表内容も生徒が自主的に選んだもので、セミナーで習った内容を独自に発展させたものです。内容は大学高学年レベルで、大学院修士レベルまで達したものもありました。驚嘆するばかりでした。人前でのプレゼンテーションが初めての生徒も多数いましたが、一人もつまることなく、見事な発表でした。発表後の質疑応答では、明快に回答するケースが多く見られました。中には、学術論文レベルの講演もあり、自然に拍手が舞い上がっていました。
 この7ヶ月間の生徒の成長には目を見張るものがあり、大学職員にとっても、達成感の高い発表会となりました。

修了式

鈴木先生の講演風景
 生徒発表会の後、閉校式が行われました。理学部長補佐より、参加生徒全員(21名)に修了書が授与されました。忙しい高校生活を上手く工夫し、全員がこのプロジェクトを一緒に終えたことが、一番の財産となりました。また、特に優秀だった生徒を、エクセレント・スチューデントとして、表彰しました。最後に、修了書を手にした生徒が、将来、九大理学部に入学した場合には、単位2単位が認められることが説明され、歓声が上がっていました。
 閉校式には、保護者、高校の先生方、生徒諸君に挨拶の言葉を用意していましたが、生徒発表の素晴らしさから、まったく、挨拶の必要がない、心の通う式となりました。
 閉校式の後に、各科に分かれて、懇親会を開きました。多くの保護者から、お礼の言葉を頂きました。これも、大きな財産となりました。



 
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