未来の科学者育成プログラム第3回公開講演会は、物理学科・鴇田先生にお世話をいただき、講師に同じく物理学科・鈴木 博先生をお招きして11月8日(土)午後2時から開催されました。演題は、「アインシュタインの考えたこと―相対性理論入門―」というもので、難しい内容でしたが素粒子理論が御専門の鈴木先生がやさしく解説して下さいました。
アインシュタイン博士が一般相対性理論を発表した1905年から来年がちょうど百周年にあたりますというところから講演が始まりました(特殊相対性理論の発表は1905年)。鈴木先生がおっしゃるには、アインシュタイン博士は20世紀最大の物理学者の一人だということです。
速度の合成についての練習問題から始まり、光の速度、電磁波、走っているものさしの縮み、走っている時計の遅れ、ミュー粒子の寿命の謎と次第次第にお話が難しくなると同時に鈴木先生の説明がだんだんと熱をおびてきました。アインシュタイン博士はニュートンの運動方程式を根本から書き直すという革命的ともいえることを成し遂げました。その結果、 E=mc2という有名な式が導かれました。
つぎに素粒子物理研究について簡単な紹介が行われました。この研究領域では相対性理論はごく日常的に用いられていることが説明されました。
されさらに一般相対性理論にしたがって、時間と空間の歪みかたと物質のエネルギー・運動量の分布が等しくなるという方程式として表現された(アインシュタイン方程式)。これによって人類は宇宙の形を定量的に考えることができるようになったということです。ニュートリノ、クォークなどの素粒子から、ブラックホールやビッグバンなど宇宙論までを議論することを可能にした相対性理論の一端をお話しいただきました。
鈴木先生のお話は約1時間40分にも及びました。 |