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九州大学

 

入学
未来の科学者養成講座2012の開講式(8月18日)
開校式 意見交換会
 講座の最初の行事、開講式の様子です。理学部長挨拶で荒殿先生は、ご専門の界面物理化学の分野での研究の様子を交えながら、「研究室総勢21名で研究を楽しんでいます。」と研究することの楽しさを強調されました。
 今年の受講生は、広島県から長崎県にわたる6県から集まった23名。物理は男子のみのクラス、生物は女子のみのクラスと、学科によって偏りができてしまいましたが、今日が初対面の生徒たちが、協力しながらセミナーに取り組んでいくことになります。
プログラム
セミナーに先立ち、ガイダンスが行われました(8月18日)
森先生の講演風景 矢原先生の講演後の質問風景
 物理セミナー  化学セミナー
矢原先生の講演後の質問風景 森先生の講演風景
 数学セミナー  生物セミナー
 開講式の日に行われた、それぞれの科目に分かれてのガイダンスの写真です。担当の先生やアシスタントを務める大学院生の紹介の後、セミナーの進め方についての説明や、スケジュールの調整などがありました。

   
いよいよセミナーが始まりました(9月8/15日)
物理学セミナー
森先生の講演風景 矢原先生の講演後の質問風景
 講師の井上先生から物理学発展の歴史がさまざまな事例を交えて紹介されました。また、本セミナーで学ぶ内容の簡単な説明がなされ、受講生は熱心に聴いていました。

数学セミナー
森先生の講演風景 森先生の講演風景
 数学のセミナーは9月15日に伊都キャンパスで始まりました.半年間,数学の美しさと難しさの両方を体験して成長することを期待しています。

化学セミナー
森先生の講演風景 森先生の講演風景
 いよいよセミナーがはじまりました。原子核や電子軌道の話など難しい内容ですが、皆さん真剣な表情で講義に聞き入っています。

生物学セミナー
森先生の講演風景 森先生の講演風景
 生物の第1回目は、杉山先生による生物学の基礎の講義です。少し難しいけれど半年間のセミナーの理解に必要な知識です。

大学の雰囲気にも慣れてきて、質問なども飛び交います。
物理学セミナー
森先生の講演風景
 9月29日は「力の釣り合い」(質点の釣り合い、剛体の釣り合い)についての講義が行われ、どうすれば物体が止まっていられるか、ということを学びました。
森先生の講演風景
 10月13日は「位置・速度・加速度」についての講義が行われました。
公開講演会 講演会新着情報
第1回公開講演会(8月18日)
◎「数学でわかる、単細胞のかしこさ」 
手老 篤史 准教授【九州大学マス・フォア・インダストリ研究所】
講演資料《PPT/21MB》ダウンロード
森先生の講演風景
矢原先生の講演後の質問風景
 手老先生の講演風景  
 開講式に続いて公開講演会が開かれました。数学の講演ですが、取り上げられた題材は単細胞生物であるスライムのような粘菌の動きです。左上の写真にあるように、迷路全体に広げておいたその粘菌は、しばらく経つと餌の置れている始点と終点とを結ぶ最短経路上にその体を集めてしまうそうです。 この、迷路問題を解くという知的にも見える動きが、実は簡単な数学モデルで再現でき、粘菌は単純な動きをしているに過ぎないことを示されました。途中、ちょっと難しい式も出てきましたが、数学が色々な現象の理解に役立つことが納得できました。講演後に熱心に先生に質問する生徒が出るなど、今年の受講生も積極的なようです。

第2回公開講演会(10月20日)
◎「失恋の思い出:ショウジョウバエから学ぶフェロモンと記憶の関係」 
江島 亜樹 助教【京都大学生命科学系キャリアパス形成ユニット】
講演資料《PDF/10MB》ダウンロード
 江島先生の講演風景  
 今回は生物分野の講演です。「皆さんも研究者になれば英語でディスカッションを行うことになりますので、今日は英語で講演していただきましょう。…ただし、最初の3分間だけ。」との司会の谷村先生の提案で、講師の江島先生は、急遽英語で、研究を始めることになった大学時代のいきさつからお話を始められました。
 その後は、日本語での講演に切り替わり、オスの蛾がメスの匂い(フェロモン)に誘われて集まってくることを発見したファーブルの研究やフェロモンには性的な誘因の他に昆虫社会の維持に必要な種々のものがあることを解説された後、タイトルにある「失恋の思い出」の話になりました。
 オスのショウジョウバエはメスへのアタックに失敗するとしばらくは立ち直れなくてフェロモンに反応しなくなること、成熟したメスへのアタックに失敗すると未成熟なメスのフェロモンに感応するようになることなど、何やら身につまされるような研究成果です。会場には受講生の同級生も大勢出席し、興味津々でお話に聴き入っていました。

第3回公開講演会(12月15日)
◎「超伝導がひらく未来の情報通信」 
寺井 弘高 研究マネージャー【(独)情報通信研究機構 未来ICT研究所】
 寺井先生の講演風景  
 講師の寺井先生がおられる情報通信研究機構は、以前は電波研究所といって、時刻の標準を作っているところだそうです。今年は超伝導発見から101年目だそうで、講演は、超伝導とはどういう現象かという説明から始まり、情報通信の歴史に触れた後、超伝導と情報通信のお話になりました。
 現在は、情報通信に膨大なエネルギーが用いられており、超伝導の利用でその消費電力を大幅に下げられる可能性があるとのことです。量子コンピュータ、暗号処理、光子検出器と、2時間近い時間をかけて、盛りだくさんの内容を丁寧に解説していただきました。

第4回公開講演会(2月16日)
◎「生物現象解明のための科学 −(1)カバの赤い汗について (2)生きものの形について−」 
准教授 橋本 貴美子【京都薬科大学】
 寺井先生の講演風景  
 橋本先生のお話はカバの赤い汗についてです。カバが汗をかく理由はよくわかっていないそうですが、粘液であること、pH10程度のアルカリ性であることに加え、化学分野の講演らしく分子構造についても詳しい説明がありました。また、「手袋をするとカバに失礼な気がして素手で汗を採取しています。」というカバに対する細やかな気配りも印象的でした。
 また、後半は一転して花などに現れる幾何学的な形についてのおはなしになりました。黄金比(ミロのビーナスの身長とおへその高さとの比も黄金比だそうです)、花びらの枚数、生き物の形に現れる螺旋形などは、全て1,1,2(=1+1),3(=1+2),5(=2+3),・・・というフィボナッチ数で理解ができるそうです。生物のことを知るにも数学や物理と言った他の分野の知識を動員することが大切、そういった知識を動員して自然界の不思議に迫ってほしいとのことです。

研究発表会
第1回意見交換会(8月18日)
意見交換会
 第1回の意見交換会は、数学の辻井先生の司会で行われました。最初に、意外な外国で子供の頃を過ごされたという先生ご自身の自己紹介があった後に、受講生が順に自己紹介。受講生の緊張も少し解けてきて、元気のよい発言も出だしました。その後は、公開講演会の講師とこの講座の担当教員が前に出て自らの高校時代・学生時代の様子を紹介、生徒からの質問をいくつか受けて時間切れになりました。
第2回意見交換会(10月20日)
 今回の意見交換会は、講座のOBで今年はTA(ティーチングアシスタント)を務めている柿添君と戌井君による企画・司会での開催です。受講生が4班に分かれ、「もしも水の比重が大きかったら」、「人間が宇宙に進出して1万年経ったら」、「老化がなかったら」、「恐竜が生きていれば」という問いかけに対して、それぞれの班で答えを相談し、みんなの前で発表しました。
 科学的な根拠に基づくものから奇妙奇天烈なものまで、科学に興味を持ち、若い柔らかな頭を持っている受講生ならではの種々の答えに大いに盛り上がり、講演会講師の江島先生にも質問やコメントで楽しんでいただけたようでした。
第3回意見交換会(12月15日)
 今回の意見交換会は、生徒に講演会講師の寺井先生への質問を書いてもらい、その中からいくつかをピックアップして先生に答えてもらうという形をとりました。講演会での寺井先生のお話が予定より延び、時間がほとんでなくなってしまったのですが、「今後、考えられる超伝導の応用にはどのようなものがありますか?」「ジョセフソン効果、ジョセフソン接合とはどういうものですか?」という生徒の質問に対して、先生から詳しい追加説明がありました。
第4回意見交換会(2月16日)
 化学の山内助教とTAの脇山君による企画で、ふたつの質問、「人類が出来てから数百万年経つが、数百万年後の人類はどうなっているか」、「ドラえもんが生まれたとされる西暦2112年に発明されていそうなドラえもんの道具は何か。また、他にどのようなものが発明されているか」に、根拠を示して答えなさいというものです。
 4つの班に分かれて話し合い、みんなの前で発表した後、講演会講師の橋本先生と化学セミナー講師の前田先生から講評をいただきました。
   
研究発表会 発表会新着情報

研究発表会

 7ヶ月にわたった講座活動の集大成、課題探求の結果を披露する生徒発表会です。今年の参加者・聴講者は130人を超えました。
 大勢の聴講者を前にしての発表で受講生達は最初は不安と緊張で一杯の面持ちでしたが、どの受講生も話し始めると調子が出て、写真のように次第に表情にも余裕が出てきました。工夫を凝らしたディスプレイ、手振りを交えた説明、質問に対しての明確な回答など、堂々たるものです。

修了式

鈴木先生の講演風景
 生徒発表会を終え、受講生達の顔も和やかになったところで修了式です。各学科代表が修了証書を受け取った後、今年は5名がエクセレント・スチューデントとして表彰されました。
 荒殿理学部長から、1年間の努力と成長にたいしてねぎらいと賞賛の言葉があり、続いて写真撮影。その後、学科毎に分かれての懇談会で個々の受講生が修了証書を受け取りました。
 この修了証書授与で今年度の講座の全てのプログラムは終了、保護者や高校教員を交えたしばしの歓談の後、解散となりました。



 
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