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九州大学

 

入学
未来の科学者養成講座の開講式(8月21日)
開校式 意見交換会
 2009年度から高校1・2年生を対象とした「未来の科学者養成講座:エクセレント・スチューデント・イン・サイエンス育成プロジェクト」が始まりました。2期目の今年には、九州7県から25名の生徒が選ばれました。写真は8月21日(土)に行われた開講式の様子です。開講式では荒殿理学部長の挨拶があり、専門の界面科学を例に引いて、興味をもって観測することの大切さを強調されました。
 このプロジェクトは、最前線で活躍する研究者や大学での研究・教育経験が豊富な教員を講師として、理科に興味を持つ高校生に少人数クラスで深い思考力とチャレンジ精神を身につけてもらおうというものです。また、公開講演会は一般参加も受け付けています。来年度もこのプロジェクトは続ける予定ですので、是非ご参加ください。

プログラム
少人数セミナー セミナー新着情報
セミナーに先立ち、ガイダンスが行われました(8月21日)
森先生の講演風景 矢原先生の講演後の質問風景
 物理セミナー  化学セミナー
矢原先生の講演後の質問風景 森先生の講演風景
 数学セミナー  生物セミナー
 開講式の日に行われた、それぞれの科目に分かれてのガイダンスの写真です。担当の先生やアシスタントを務める大学院生の紹介の後、セミナーの進め方についての説明や、スケジュールの調整などがありました。

   
いよいよセミナーが始まりました(9月11日、18日)
物理セミナー
森先生の講演風景 物理セミナー
 物理のセミナーでは、講義と演習が中心です。第1回目は物理に必要な数学の知識としての微積分について、第2回目は運動方程式についてのセミナーを行いました。微積分は高校の数学とは異なった方法で講義されたので、最初はかなりとまどっていましたが、講義のあとでTAとの個別の質疑応答を行ったおかげで、だいたい理解できたようです。「高校の数学では何のためにやっているかは教えてくれないが、このセミナーではそれがはっきりわかったので楽しかった」という声があがっていました。

化学セミナー
矢原先生の講演後の質問風景 化学セミナー
 化学のセミナーでは、大学に入ってから習う原子の構造と電子配置、原子軌道や電子殻などの講義からスタートしました。量子力学の結論の部分なので抽象的で分かりにくいようでしたが、その理論が周期律表の形や元素の並び方などにも反映されていることが分かり具体的なイメージがつかめると、「面白い」という声があがっていました。セミナーでは理論の勉強だけでなく、オリーブオイルからの石鹸作りなど実験も行っています。「楽しい実験」は化学者の基本で、きれいな石鹸ができると歓声が上がっていました。

数学セミナー
矢原先生の講演後の質問風景 数学セミナー
 数学のセミナーでは、現在は講義と演習が中心です。解析学の中心的な課題である微分方程式の問題に挑戦することを目標としています。そのために、最初の2回の講義で微分と積分を終わらせるというハードな内容になりましたが、ティーチングアシスタントの手厚いサポートもあり、講義後も質問や相談を繰り返すことでなんとかクリアしたようです。
9月11日土曜日からセミナーが始まりました。数学は新しい伊都キャンパスです。最初からかなりのハイペースですが,みんなやる気満々です。

生物セミナー
森先生の講演風景 生物セミナー
 生物のセミナーでは、最近の生物学分野の多面性を考え、セミナーを4名の講師が分担し、分子生物学と神経生物学、ミツバチの行動、光と植物、ショウジョウバエの行動と遺伝、をテーマにして、講義、見学、実験を交えて、大学の生物学科の講義、研究の現場を体験する内容で実施しています。参加する高校生は、この中から1つを修了時の発表テーマとして選び、各セミナー終了後も担当教師と連絡を取り合って発展的に担当内容に取り組むことにしています。生物学分野への関心が自分の興味中心になっている生徒も、自分の興味と違う分野のセミナーにも高い関心を示し、自主的な学習、積極的な質問をしています。
大学の雰囲気にもなれてきました(10月)
物理セミナー
物理セミナー

授業も回数を重ね、講師やTAと生徒もずいぶんと打ち解けました。

物理セミナー

授業の内容も少しずつ難しくなり、学生の間で議論を交わすようになってきました。
非常に熱心で、ティーチング・アシスタントとしても感心するばかりです。


生物セミナー(9月・10月)
森先生の講演風景
 蜂などの昆虫の目には景色はどのように映っているのかといったことや、コウモリがどのようにして獲物の位置を把握するのかといったことについて学びました。少し難しかったようですが、みんな活発に質問していました。
森先生の講演風景
 偏光板というものを使い、昆虫の目に見えている景色を擬似的に体験しました。
蜂はこれによって自分の巣や密の位置を記憶しているんですよ。これはサングラスにも応用されています 。
森先生の講演風景
森先生の講演風景
今日は教室から外に出て蜂の巣の観察を行いました。女王蜂がどこにいるかわかるかな。

数学セミナー
 微分、積分、微分方程式...と講義は進んでいます。こんな調子で進んで大丈夫かと傍目にはハラハラしますが、生徒たちは講義後も30分、1時間と講義室にのこって質問して理解を深めています。
生徒の熱心な取り組みに、講師陣も力が入ります(11月)
物理セミナー
森先生の講演風景 生物セミナー

生徒による発表も行われるようになりました。難しい内容なので四苦八苦していましたが、先生や他の生徒と相談しながら正解を導く姿に成長を感じます。

物理セミナー

教える側にも力が入ります。

森先生の講演風景 生物セミナー

 今回のテーマは「振動」とその応用、そして回転を扱える新しい座標の導入でした。
虚数が出てきたり、難しい問題が続きましたが、受講生は、講師やTAに質問したりして、積極的な姿勢でした。
  難易度は高いですがその分面白いところです。がんばりましょう。


生徒の熱心な取り組みに、講師陣も力が入ります(12月、1月)
数学セミナー

 講義も終盤に差し掛かりました。偏微分方程式、フーリエ級数など大学でも高学年で習う内容なので生徒の方もかなり大変そうです。新年になって自分の研究をするようになればまたものの見え方も変わるはず、もう一息! 最後にはみんなでケーキを食べました。


化学セミナー

 初歩的な実験や理論から、実践的な内容へと講義も後半に入るにつれてレベルアップしていきました。
 写真では生物の発光物質の合成や、コンピュータを使った分子モデリング計算の様子を見ることが出来ます。講師やTAから与えられた資料を使うだけでなく、実習内容が理解できた受講生は自分自身で各種化学物質を創造し、構造を計算で求めるところまでできています。この頃から最後の研究発表会にむけて、どのように研究をまとめるか、どのように発表を行うか、講義終了後に具体的な打ち合わせが活発に行われました。

研究発表会の準備が始まりました(2月)
数学セミナー

 発表会に向けての準備が始まりました。自分の課題について考えて来たことを先生の前で順に発表します。結構みんな堂々としています。半年前には高校生というより中学生という雰囲気でしたが、成長が感じられます。

公開講演会 講演会新着情報
第1回公開講演会(8月21日)
◎「宇宙の地図を描く」 小谷元子教授(東北大学大学院理学研究科数学専攻) 
森先生の講演風景 矢原先生の講演後の質問風景
 小谷先生の講演風景  
 開講式の後に行われた公開講演会の様子です。東北大学の小谷元子教授による「宇宙の地図を描く」と題したお話で、幾何学は大地を測り地図を作るために生まれた学問であることから話を始められ、地表や空間の曲りをどのように測り、理解するかについて解説されました。受講生たちは、高校で学んでいる幾何学とは取り扱いが違う数学のお話を熱心に聞き、講演後には質問もしていました。
 公開講演会は、今回を含めて4回が予定されており、受講生は希望した教科にかかわらず、4つの分野(数学・物理・化学・生物)で研究の最先端で活躍している先生に、身近に接することになります。
 また、この公開講演会は一般の方の聴講も受け付けています。是非こ参加ください。

第2回公開講演会(10月16日)
◎「47本目のヒト染色体を作る」 
  舛本 寛室長(財団法人かずさDNA研究所 ヒトゲノム研究部 細胞工学研究室) 
森先生の講演風景 矢原先生の講演後の質問風景
 桝本先生の講演風景  
 舛本先生の講演は、細胞分裂のときの染色体のダイナミックな動きをとらえたビデオ映像から始まり、染色体のくびれ部分セントロメアの役割や遺伝子の働きが制御される仕組みなどのお話しでした。生物学のみならず化学や物理学を受講している生徒たちも分子生物学の最先端の迫力あるお話に聞き入り、何人もの生徒が講演後にも先生を取り囲んで長い間質問をしていました。

第3回公開講演会(12月18日)
◎「つながりの目でみる自然と社会」 
  小田垣 孝教授 【東京電機大学理工学部】(九州大学名誉教授) 
森先生の講演風景 矢原先生の講演後の質問風景
 小田垣先生の講演風景  
 「いろいろなことを統一した概念でとらえるのが物理なんですよ」、とおっしゃる小田垣先生。ビンゴゲームでビンゴになるのは何割の穴が開いた頃になるか、40年間音信が途絶えていた友人と連絡をとるには何人くらいの知人を介することになるか、森林火災で全体への延焼を避けるにはどの程度の密度で植林すればよいかなど、身近な事柄を題材につながりの物理を解説される先生のお話に、どの科目の受講生も興味津々でした。

第4回公開講演会(2月19日)
◎「植物と水」 
  中西 友子教授 【東京大学大学院農学生命科学研究所】 
森先生の講演風景 矢原先生の講演後の質問風景
 中西先生の講演風景  
 植物中の水を映しだすことのできる中性子の映像から先生のお話ははじまり、バームクーヘンのような杉の切り口、乾燥した植物に水が吸われていく様子がよくわかる動画など、美しくて印象に残る映像が次々と出てきました。研究の楽しさが伝わってくる先生のお話に、講演後にはいくつもの質問が受講生から出ていました。。

研究発表会
第1回意見交換会(8月21日)
意見交換会 意見交換会
 受講生は、志望した4つの分野(数学・物理・化学・生物)のいずれかで少人数セミナーに参加しますが、今年は、全受講生が一緒に参加する「意見交換会」の時間を設けました。異なる分野の受講生が交流することによって、お互いの向上に役立ててくれることを望んでいます。
 今回は、数学分野の公開講演会の後、同分野の辻井正人先生(九州大学)の司会で行われました。第1回目ということでそれぞれの受講生が自己紹介を行った後、辻井先生が、ヨーロッパで出席した国際セミナーでの話題がきっかけになったとの前置きで、生物の進化系統図を題材として取り上げられ、受講生たちは与えられた条件を満たすツリー構造を見つける問題にチャレンジしました。

第2回意見交換会(10月16日)
意見交換会 意見交換会
 意見交換会は、九州大学の釣本先生が担当されました。講演会のテーマである分子生物学は、化学や物理学との関連が深い分野であり、ご自身も最初は物理学を指向しておられたが、ある本で分子生物学の考え方に触れて生物に進学されたとのことです。遺伝子の働きがアナログではなくデジタルであること、鎖状になっている遺伝子が、磁気テープ状ではなく3次元アクセスのできるディスク状に収納されていることなど、物理学や化学を受講している生徒にも分りやすい言葉で遺伝子の世界を紹介されました。

第3回意見交換会(12月18日)
意見交換会 意見交換会
 和田先生が司会をされた今回の意見交換会は、受講生の質問に小田垣先生や和田先生が答えるという形で行われました。「数学に対する物理学者の考え方と数学者の考え方はどう違いますか?」、「九大のキャンパス移転をどう考えられますか?」など、様々な種類の質問が飛び出し、受講生たちの興味の広さが印象に残りました。

第4回意見交換会(2月19日)
意見交換会 意見交換会
意見交換会 意見交換会
 今回の意見交換会では、それぞれの科目の受講生がどのようなセミナーを行っているかを紹介しました。また、駆けつけてくれた3名の昨年の受講生から、OB・OGとしてのアドバイスや経験談の披露もありました。

   
研究発表会 発表会新着情報

研究発表会

 セミナーでの学習と研究の結果を披露する生徒発表会の様子です。
  受講生の保護者や高校の先生方も参加され、椅子が足らないほどの盛会でした。ほとんどの生徒は大勢の前での発表は初めてですので、出だしは緊張はしていますが、話している間に調子も出てきて、何れも立派に発表を終えました。工夫をこらした本格的なディスプレイと堂々とした発表ぶりに、保護者の皆様や先生方からは称賛の声が上がっていました。それぞれの発表に対しては、他の受講生や養成講座のOB・OGを始め色々な方から質問が出、それらに対しても受講生たちはしっかりと答えていました。

修了式

鈴木先生の講演風景
 生徒発表会に続いて修了式が開かれました。
 荒殿理学部長から各学科の代表者に修了証書が手渡された後、5名のエクセレントスチューデントの表彰があり、荒殿理学部長のお話しで修了式は一段落。
 受講生たちは生徒発表会の緊張からも解放され、晴れ晴れとした表情で記念撮影に収まっていました。その後は学科毎に分かれ、受講生ひとりひとりが修了証を受け取った後は、講師の先生、教科担当の先生、それに保護者方々や高校の先生方を交えての懇談の場となりました。なごやかな雰囲気の内に会場ごとに解散し、8月に始まった7ヵ月にわたる今季のプログラムを全て終了しました。。



 
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