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学部教育について(アドミッションポリシー)

教育理念(教育理念・目標、育成する人材像)

 物理学とは、「物質はどのようにして生まれたか、どのような性質を持つか、どのような法則にしたがっているか」を探求する学問です。極微小な素粒子の世界から、我々身の回りの物質、そして広大な宇宙にいたる様々な階層の自然の中にひそんでいる、基本的な法則を明らかにしようとする営みともいえます。又近年、物理学は情報の発生、伝達も研究対象としています。

 物理学を研究してきた先輩達はそれまでの法則では説明できない不思議な現象に出会った時に、その法則の生い立ちにまで立ち戻り深く考え直してきました。そしてより普遍的な法則を発見し、現象の説明に成功してきました。

 物理学科の教育目標はまず物理の基本法則を充分に習得することです。仮に常識では説明できないと思える現象に遭遇した場合でも、物理学の基本法則を駆使し、考え直すことの出来る力を身につけることです。

 物理学は応用を目的とする学問ではありませんが、人類の歴史において物理学の基本法則がもたらした発明や新製品は社会や産業を大いに発展させてきました。

 このように、物事を基本法則から考え直すことは、基礎科学研究に限らず、新しい製品を作り出したり、システムを構築する際にも大変重要なことです。最近、企業でも研究開発を重視し、基礎から物事を考える物理卒業生への期待と求人が増えています。

教育プログラム

教育課程の特色・内容

 物理学科には物理学コースと情報理学コースがあり、2年次からは学生の志望と成績によっていずれかのコースに配属されます。物理学コースでは物理学そのものを体系的に学習し、情報理学コースでは情報の分析・処理・演繹などを学習します。物理学コースと情報理学コースの人数比は約4:1です。

 いずれのコースでも3年次までは基礎的な科目を履修します。多くの演習を通じて講義内容の理解を深めると同時に、実験・実習により原理の基礎となっている現象に触れながら現象を調べる手法を身につけていきます。4年次では、専門的な科目の履修を通じて最先端研究の方法や到達点・問題点を把握するとともに、希望する研究室に所属して研究現場の雰囲気にふれながらそれぞれの研究テーマを行います。

加速器・ビーム応用科学センターに設置されているタンデム型加速器
加速器・ビーム応用科学センターに設置されているタンデム型加速器

教育指導体制

 物理学コースの講義は素粒子・原子核の理論と実験、宇宙物理、物性・統計理論、固体・液体・ソフトマター実験等の広い物理学分野をカバーする教員が担当します。情報理学コースの講義は主として数理情報学、知能科学、計算科学の教員が担当します。演習や実験では教員のほかに大学院生のティーチングアシスタントが一緒に指導を行います。4年次にはそれぞれの研究室で教員、上級生の指導の元で特別研究を行います。

卒業要件および成績評価

 成績評価は期末試験、レポート、出席状況を基に行います。卒業のためには1年次までの基幹教育科目や専攻教育科目などからそれぞれ決められた単位数を修得することが必要です。

最先端研究で明らかにする物質の量子現象
最先端研究で明らかにする物質の量子現象

求める学生像(求める能力、適性等)

 物理学の学習に必要な基礎学力を持っていることが必要です。高等学校で数学及び物理を履修し、基本事項を充分理解していること、さらに講義を理解し、情報収集やレポート作成・発表が出来る国語力が必要です。高校英語の学力も将来様々な分野で活躍するために重要です。

 また、物理学を学び、その内容を自分のものにしようとする意欲が大事です。単なる興味でなく、常に物事の背景にある法則を探求しようとする姿勢が求められます。読書を通じ知識を広げ、まず自分で考えること、さらに教員、先輩、友人に質問し、議論する積極的な行動が必要です。

入学者選抜の基本方針(入学要件、選抜方式、選抜基準等)

 別途指定する入学出願資格(高校卒業など)があります。大学入学共通テストで、物理学科が指定する教科・科目を受験することが必要です。

 総合型選抜入試では、まず11月に志望理由書と調査書による選抜を行います。その後、課題探求試験と面接(試問を含む。)を行い、大学入学共通テストの成績との総合評価から、学力・熱意・適性を併せ持った将来性のある学生を選抜します。

 一般入試(前期日程)では、個別学力検査を行い、大学入学共通テストとの総合成績と志望順位により、確かな基礎学力のある学生を選抜します。

 一般入試(後期日程)では、面接(試問を含む。)を行い、大学入学共通テストとの総合成績を基に、物理学に対する意欲と学力のある学生を選抜します。