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研究の紹介

生物学科

 誰でも一度は「生命」って何だろう、自分が生きているってどういうことなのだろう、と考えたことがあると思います。20世紀半ばから起きた、分子をもとにした生物学の革命的な進歩によって、遺伝情報の成り立ち、細胞のしくみなど、顕微鏡で見るよりもまだ小さい世界の生命の営みが手に取るように「見る」ことができるようになりました。それでもまだ生命の謎は尽きません。数十億の分子の並びからどうやって一個の細胞ができあがるのだろう?その細胞がどうやって、何万種類の細胞に変化するのだろう?いろいろな神経細胞のつながり方と人間の思考や行動の関係は?同じような遺伝子をもった生物がいろいろな動物や植物に進化した道筋は?まだまだ分からないことだらけです。でも、分子をもとにした生物学のおかげで、人類は生命の謎を解くための強力な道具を手に入れています。すなわち、細胞機能を司る遺伝子やタンパク質の構造と機能を生化学的や分子生物学的な研究を進めていくことで、生命の謎に迫ることが出来るようになったのです。

 本学科では、これらの知見をふまえて高次の機能発現を細胞小器官(オルガネラ)、細胞、器官、さらには、個体を対象として明らかにし、これらを可能にしている細胞小器宮の形成機構、器官の形態形成、個体の発生過程を解明するための教育・研究をおこなっております。さらに、個体の働きや行動、個体間の相互作用、生物社会と生態系の恒常性、また、細胞や個体の働きを進化学的側面から明らかにするための教育・研究も進めております。これらの研究を進めていく上で我々は、ホ乳類(ヒト、ネコ、ネズミ、シカ)、鳥類、爬虫類(カメ、ヘビ)、両生類(カエル)、無脊椎動物(カブトガニ、線虫、ヒドラ、ショウジョウバエ、カマキリ)、植物(シロイヌナズナ、イネ、アサガオ、キスゲ、ハマカンゾウ)、海洋生物(ハゼ、フジツボ、アオガイ、ウニ、ナマコ、ミドリイシ、ホンダワラ)、酵母、細菌(ラン藻)など多くの生物種をその対象としています。また、これらの教育を通して、独創的研究者の養成をはかるとともに、多様な生命現象を広い視野で理解し、社会に貢献できる人材を育成していくことも目指しております。