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研究室とスタッフ

生態科学研究室

  • 立田 晴記I 教授
  • 細川 貴弘II 准教授
  • 吉村 友里III 助教
生態学は個体から個体群、群集といった異なる階層で生じる適応戦略や相互作用、また生物の分布や数の時間的変遷といった要因を加味しながら生物進化と多様性の解明を試みる分野です。研究室では進化、行動、形態、系統といったキーワードに関する基礎研究を行っており、社会から要請されている希少種の保全や有害生物の管理といった諸課題にも取り組んでいます。

I. 節足動物を中心とした進化生態学と関連分野に関する研究を行っています。また南西諸島に生息する稀少生物の保全、外来種問題、病害虫管理に関する応用研究も手がけています。

II. 昆虫の多様化に共生微生物がどのような影響を与えているかについて研究しています。また、昆虫における親子間や雌雄間の相互作用に関する行動生態学的研究をしています。

III. 捕食者に対して有毒さや不味さをニオイで警告するという「警告臭」について研究しています。主に、爬虫両棲類を対象に、化学分析と行動実験の両面から研究に取り組んでいます。
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環境微生物生態学研究室

  • 濱村 奈津子 教授
微生物は自然界のあらゆる所に存在しており、生態系を維持していく上で重要な役割を果たしています。本研究室では、環境中の微生物資源やゲノム情報を基に、自然界の生態系を駆動する微生物機能の解明に取り組んでいます。とくに、環境撹乱が生態系へ及ぼす影響の評価や、有害重金属の環境挙動に関与する微生物代謝や多様性進化に関する研究、野生動物の共生細菌群集の解析を進めています。
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数理生物学研究室

  • 佐竹 暁子 教授 (地球環境ゲノム科学ユニット兼任)
  • 佐々木 江理子 准教授 (地球環境ゲノム科学ユニット)
  • 野下 浩司 助教
  • Feldman Alexander Davan 助教
数理的手法を用いて生命の謎に迫ります。発生において形がつくられてくるプロセス、病原体と免疫系との戦い、動物の行動、有性生殖の進化、熱帯林で多数の生物が共存できる理由、などさまざまな問題を、数学モデルやコンピュータシミュレーションによって調べています。
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進化遺伝学研究室

  • 手島 康介 教授
集団遺伝学的手法を用いて遺伝子レベルでの進化や多様性維持機構についての研究を行っています。
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行動神経科学研究室

  • 松尾 直毅 教授
  • 小林 曉吾 助教
私たちの研究室では、動物の記憶・学習や情動などを司る高次脳機能の仕組みを理解するための基礎研究を行っています。主に遺伝子改変マウスを用いて、行動解析、分子生物学、光遺伝学、神経活動記録などの手法を複合的に駆使した研究を進めています。
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海洋生物学研究室 (天草臨海実験所)

  • 新垣 誠司 准教授
  • Ni Ni Win 助教
私たちは、水域(海洋および陸水)の生態学、特に多数種からなる生物群集の構造・機能、生物間相互作用や共存機構に関する研究をしています。研究室のある天草臨海実験所は、雲仙天草国立公園の一部を成す熊本県天草下島(苓北町)に位置しています。温帯と亜熱帯の境界にある地域特性と自然豊かな沿岸環境に囲まれた地の利を生かして、野外におけるデータ収集、室内実験、データ・理論解析を組み合わせた研究を行っています。一連の研究では、潮間帯とサンゴ礁生態系を重点的に調べており、魚類、サンゴ類、貝類、甲殻類、棘皮動物、海藻類、マングローブなどの海浜林といった広範囲の生物が興味の対象です。また、生物多様性の特に高いアジア熱帯域でも研究を進めており、インドネシアなど東南アジアでの調査を継続的に実施しています。近年、海洋生態系は大きな変化にさらされており、喫緊の課題が山積しています。天草臨海実験所は、様々な形で東アジア熱帯亜熱帯水域の生態系保全に関わる基礎研究に従事しています。
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分子遺伝学研究室

  • 石原 健 教授
  • 藤原 学 准教授
線虫 C.elegansは 302 個の細胞からなる極めて単純な神経系をもつモデル生物です。線虫はこの回路を使って、好きなものに寄っていったり、好きなものと嫌いなものが同時にあるときに近づくか逃げるかを決めたり、匂いと餌の関連を新しく学習したり、体内の状況や成長に応じて行動を変化させたりすることが分かっています。このような行動を可能にする神経回路での情報処理機構は線虫に限らずすべての生物において未知の部分が多く、現代生物学の大きな課題です。当研究室では、線虫の行動異常の変異体などを用いた分子遺伝学的解析から、神経細胞でどのような分子が働き神経回路での情報処理がどのように行われているのかを明らかにしようとしています。その解析のために、生きた線虫で個々の神経細胞の活動を可視化するイメージング技術の開発も重点的に行っています。
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動物発生学研究室

  • 齋藤 大介 教授
  • 熱田 勇士 講師
  • 林 良樹 講師
I. 始原生殖細胞の胚内制御機構
生物はなぜ連続的な存続が可能なのでしょう。それは「生殖」という、生命を特徴付ける根源的な性質によります。そしてこの生殖を担うのが「生殖細胞」です。この細胞、非常に重要であるがゆえに個体の一生を通じて大切に保護される必要があります。我々は、どのようにして生殖細胞が体の中で守られているのか、生殖細胞の本質とは何かといった問題に興味を持ち、鳥類胚の強みを活かした独創的な解析系を駆使することで日々これらの問題に取り組んでいます。

II. 四肢形成から器官発生の普遍原理を見出す
また、我々は四肢 (手足) 形成をモデルとして器官発生の仕組みを解き明かすことも目指しています。具体的には、本来四肢を作らない細胞種から、ダイレクトリプログラミング、3次元培養系を駆使して、四肢を人為的に再構成させようとしています。その試みを通して、何が四肢前駆細胞を運命づけるのか、また四肢のパターニングにはどのような因子が必要かなどといった問いにアドレスします。
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植物生理学研究室

  • 祢冝 淳太郎 准教授
  • 松田 修 助教
植物生理学研究室では、植物の細胞オルガネラ機能や環境適応機構に関して、遺伝子工学的な手法を積極的に取り入れて研究しています。具体的には、モデル植物であるアラビドプシスやイネなどを実験材料に用い、CO2、温度、湿度、窒素栄養などの環境要因や、病原菌感染などの生物ストレスに関係した鍵因子の探索を行っています。また、葉緑体機能やその形成機構の解析に取り組んでいます。植物細胞の基幹的機能については未解明の部分が多く残されており、そのような研究の端緒となるような発見をめざしています。
当講座では以下のような研究プロジェクトを推進しています。
  1. 植物のCO2センシングの分子機構
  2. 葉緑体の分化と機能発現の分子機構
  3. 脂質合成を介した環境応答の分子機構
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代謝生理学研究室

  • 池ノ内 順一 教授
  • 松沢 健司 講師
  • 重富 健太 助教
教科書に描かれているシグナル伝達や細胞接着などの模式図を見ると、細胞膜はどれも灰色の棒線2本で表現されています。しかしながら実際には細胞膜には数千種類にも及ぶ脂質分子が存在しています。細胞は何故これほどまでの種類の脂質分子を作り出して利用しているのでしょうか? 当研究室では、細胞膜を構成する主成分でありながら、未解明な点が多い脂質の観点から細胞を見つめて、独創的な知見を得ようと模索しています。具体的に は、上皮細胞の細胞接着や極性形成を研究の対象として、脂質の機能を解明していきます。さらに上皮細胞の異常によっておこる癌や線維症などの病態と脂質の関連についても研究対象としています。
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植物多様性ゲノム学研究室

  • 仁田坂 英二 准教授
  • 楠見 健介 講師
  • 門田 慧奈 助教
当研究室は、アサガオを材料として、「植物の形態形成の仕組み」や「トランスポゾン (動く遺伝子) 」の研究を行っているグループ、イネを材料として「高等植物の環境適応システムの最適化」について研究を行っているグループおよびシロイヌナズナを材料として高等植物の環境適応機構について研究を行っているグループから構成されています。また、ナショナルバイオリソースプロジェクト (NBRP) の中核機関として、アサガオ類の系統保存も行っています。2018 年 4 月 1 日より発足した学共センター「九州大学植物フロンティア研究センター」に参画しており、環境耐性、生産性、食味など実用植物の有用形質の基礎となる遺伝子研究も進めています。
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細胞機能学研究室

  • 寺本 孝行 准教授
  • 中條 信成 講師
  • 山脇 兆史 講師
  • 今福 泰浩 助教
  • 奥本 寛治 助教
当研究グループは 5 名の教員で構成されており、それぞれの教員が独立したテーマで研究をしています。昆虫を用いて運動が制御される仕組みを神経細胞のレベルで解析する研究、数理モデルを用いて短期シナプス可塑性をはじめとする神経科学における諸現象を解析する研究、両生類胚を用いて細胞増殖と細胞分化との関連性を調べる研究、動物培養細胞を用いて細胞機能の恒常性と細胞内物流の仕組みを調べる研究などを行っています。材料も手法もさまざまですが、それぞれの研究が発展できるように、お互いに協力しながら研究を行っています。多様な教員の協力体制によって、広い視野と多彩な研究技術を身につけた学部学生と大学院生を育成することを目指しています。
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染色体機能学研究室

  • 高橋 達郎 教授
  • 河添 好孝 助教
DNAは生命の設計図であり、遺伝情報は塩基の並びとしてDNAに保存されています。塩基は特定のペアで対合し、この対合が遺伝情報の複製や修復を可能にしています。我々は遺伝情報の維持、継承のメカニズムに興味を持って研究しており、最近では特に、塩基の誤対合に応答するDNA修復機構である、DNAミスマッチ修復の研究を進めています。塩基の誤った対合は、DNA複製の誤り、同一でない配列間の遺伝的組換え、塩基の化学的な損傷などによって生じます。ミスマッチ修復システムは、DNA複製の誤りを訂正し、正しくない組換えを中止させ、重大な塩基損傷に対応してアポトーシスを誘導します。ミスマッチ修復経路はどのようにしてこのような多様な応答を統御するのでしょう? 我々はこの興味深い反応を分子レベルで理解しようとしています。
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生体高分子学研究室

  • 柴田 俊生 助教
本研究グループは、自然免疫の情報伝達と制御機構、ならびに異物認識に関わるタンパク質について、その構造と機能について研究しています。たとえば、多細胞動物が自然免疫を介して感染微生物からどのように身を守っているのかを知るために、モデル生物であるショウジョウバエを用いて分子レベル、細胞レベルでの解明を進めています。また、腸内常在細菌と宿主との共生関係に関わる応答制御機構についても、タンパク質の架橋反応や脂質修飾と呼ばれる反応をキーワードとして研究しています。タンパク質の微視的な構造と機能解析を通じて、最終的には個体レベルでの役割を解明したいと考えます。
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