イベント名 |
物性理論セミナー 光合成アンテナ系の励起移動を記述するための 変分マスター方程式理論の改良 |
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イベント種類 | セミナー |
講演者(講師) | |
イベント詳細 | 講演者:藤橋 裕太氏 (名古屋大学・理・物質理学専攻) 光合成アンテナ系タンパク質内で捕獲した光エネルギーはクロロフィル(Chl)間の励起移動によって反応中心蛋白質に効率よく伝達される。アンテナ系内での励起移動機構はChl間の励起移動相互作用の大きさVとChl-タンパク質間の相互作用の大きさλによって決まる。λ>>V、λ<<Vの場合の励起移動はそれぞれVを摂動とするFörster理論、λを摂動とするRedfield理論で記述することができる。しかし、アンテナ系内ではこれらの相互作用が拮抗する場合がある。最近、McCutcheonとNazirは幅広いパラメーター領域で励起移動のダイナミクスを適切に記述できる理論(MN理論と呼ぶ)を構築した。彼らは変分パラメーターを含んだ摂動項を導入した。この摂動項の大きさはFörster極限、およびRedfield極限でそれぞれV、およびλに一致するようになっている。変分パラメーターはBogoliubov不等式を基に自由エネルギー最小化を要請することで決定される。彼らの理論はFörster極限、Redfield極限では定量的に励起移動を記述できるが、Vとλが拮抗する場合の励起移動速度はシミュレーションによる厳密解からずれている。 我々はMN理論を改良するために、Decosterによって導出されたSecond Bogoliubov不等式を用いて変分パラメーターを決めた。その結果、MN理論よりもVとλが拮抗する場合の励起移動速度を定性的に良く記述できることを示した。 本講演では、最初に化学反応、電子移動、励起移動の概要について説明し、我々が構築した励起移動理論について発表する。次にアンテナ系-反応中心複合体である光化学系IIの励起子状態を我々の理論を基に解析した研究について発表する。 |
対象 | 教職員向け 在学生向け |
使用言語 | |
キーワード | |
開催期間 | 2013年9月10日 13:30 〜 15:00 |
会場 |
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定員 | なし |
申込み方法 | 事前申込み不要 |
お問い合わせ先 |
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