イベント名 |
第5回地球惑星科学教室談話会 砂層ウェッジにおける荷重サイクルと変形の関係 |
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イベント種類 | セミナー |
講演者(講師) | 藤内智士(高知大学理工学部・講師) |
イベント詳細 | 地殻の水平短縮によってできる衝上断層褶曲帯では,ウェッジ先端部に複数の剪断帯(フロンタルスラスト.以下,FT)が形成される.この変形サイクルは地殻変動や物質循環の理解に重要だが,天然の付加ウェッジはは数万年から十万年単位で変動し,連続観測が難しい.そこで,乾燥砂を用いた模型,いわゆる砂箱を用いた実験によって研究されることがある.2010年以降では,FTの荷重サイクルやデジタル画像相関法(DIC)を用いた例がある. 私の研究室では,砂箱を使って乾燥砂層のウェッジ形成実験を行い,荷重データとDICを用いて解析結果を比較し,荷重サイクルをステージⅠ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳに分けた.特に,ステージⅢからⅣ,Ⅰへの移り変わりは,新たに形成されたFTが地表面に到達することで生じることを示した.さらに,ステージⅠからⅡおよびステージⅡからⅢの移り変わりにも注目し,荷重サイクル全体と変形の関係理解を目指した.また,横と上の二方向から同時撮影した画像を使うことで,より細かな変形を抽出した. 砂層ウェッジは,シートを敷いたアクリル容器に豊浦硅砂を自由落下により厚さ20 mmで敷き詰め,シートを水平に250mm引いて砂を固定壁に押し付けて作成した.変形の様子はデジタルカメラで連続撮影して記録した.ロードセルを用いてシートを引っ張る際の水平荷重も記録した. 実験画像の歪み解析の結果を用いて,ステージⅠからⅡの変化を調べた.ステージⅠは,新規FTが形成された後に荷重が一定あるいは緩やかに上昇する期間で,一世代前のFTは速度が減少するものの変位を続け,新規FTは固定壁に向かって移動する.ステージⅡは荷重の上昇が急になる期間で,一世代前のFTはほとんど変位せず,新規FTの移動は緩やかになる. ステージⅡからⅢにかけては,荷重の上昇が緩やかになるステージⅢで,新規FTの前方にわずかな歪みが見られた. 談話会では,私の研究室の砂箱実験装置を紹介するとともに,砂層ウェッジに見られる荷重サイクルと変形の対応関係を調べた結果を発表する. |
対象 | 教職員向け 在学生向け |
使用言語 | 日本語 |
キーワード | |
開催期間 | 2025年9月5日 16:40 〜 17:40 |
会場 |
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定員 | なし |
申込み方法 | 事前申込み不要 |
お問い合わせ先 |
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