イベント名 |
第3回 物理学教室談話会 カイラル結晶におけるフォノン-スピン変換の微視 |
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イベント種類 | セミナー |
講演者(講師) | 加藤 岳生 氏(東京大学物性研究所・准教授) |
イベント詳細 | 最近、カイラリティ誘起スピン選択性 (CISS) と関係する現象として、スピンとカイラルフォノン間の変換現象が注目されている。数多くの理論的および実験的研究[1]にもかかわらず、カイラルフォノンと電子スピンの間の変換を支配する微視的機構は未解明のままである。本講演では、電子スピンと剛体回転の間の角運動量変換現象である磁気回転効果を考慮したカイラルフォノンと電子スピンの間の変換を理論的に考察した結果を紹介する[2]。温度勾配によって誘起されたカイラルフォノンモード間の非平衡分布が常磁性金属とカイラル絶縁体の界面にスピン流が生成され、その大きさは最近の実験結果と整合する[3]。本研究で取り扱ったスピン-フォノン変換機構において、スピン‐軌道相互作用は不要であるため、重元素を含まないスピントロニクス素子の開発に重要な知見を与えると期待される。時間があれば、同様の理論をDNAなどの高分子におけるホッピング伝導に適用した結果[4]についても触れたい。 [1] D. H. Waldeck et al., APL Materials 9 (2021) 040902; Y. Togawa et al., J. Phys. Soc. Jpn. 92 (2023) 081006. [2] T. Funato, M. Matsuo, and T. Kato, Phys. Rev. Lett. 132, 236201 (2024). [3] K. Ohe, et al., Phys. Rev. Lett. 132, 056302 (2024). [4] R. Sano, T. Kato, preprint (arXiv:2404.19000). |
対象 | 教職員向け 在学生向け |
使用言語 | 日本語 |
キーワード | |
開催期間 | 2025年7月10日 14:50 〜 16:20 |
会場 |
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定員 | なし |
申込み方法 | 事前申込み不要 |
お問い合わせ先 |
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関連ファイル | 第3回特別講義談話会_加藤岳生.pdf |
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