イベント名 |
第 7回物理学教室談話会 TUCANによる中性子電気双極子モーメント探索実験 |
---|---|
イベント種類 | セミナー |
講演者(講師) | 川崎 真介 高エネルギー加速器研究機構 准教授 |
イベント詳細 | 【要 旨】 中性子などの基本粒子が有限の値の永久電気双極子モーメント(Electric Dipole Moment : EDM)を持つ場合、時間反転対称性を破る。CPT保存を仮定すればそれはCP対称性の破れを意味する。現在発見されているCP対称性の破れは観測されている宇宙の物質・反物質間の非対称性を説明するには十分でなく、新たなCPの対称性の破れの候補としてEDMの探索を行っている。中性子EDM探索は超冷中性子(Ultra-Cold Neutron: UCN)という極低エネルギーの中性子を用いて行う。UCNは運動エネルギーが300 neV以下の中性子のことを指し、物質表面で全反射するという特徴を持っている。このUCNを電磁場中に置かれた物質容器中に閉じ込め、その電磁場との相互作用によって生じるスピン歳差運動の様子を精密に観測することによって中性子EDMの測定を行う。これまでの観測上限値はPSI研究所が報告した1.8×10-26ecmである。 日本・カナダ間の国際共同実験であるTUCAN (TRIUMF Ultra-Cold Advanced Neutron)コラボレーションは大強度のUCN源を建設することで、測定感度を1桁以上更新する10-27 ecmでの測定を行うことを目指している。核破砕反応を用いた加速器中性子源と超流動ヘリウムをUCNコンバーターに用いたスーパーサーマル法を用いることで大強度のUCN生成が可能となる。セミナーではこれまでの中性子EDM測定実験の紹介や、TUCANの最新状況を報告する。 |
対象 | 教職員向け 在学生向け |
使用言語 | 日本語 |
キーワード | |
開催期間 | 2022年12月22日 16:40 〜 18:10 |
会場 |
|
定員 | なし |
申込み方法 | 事前申込み不要 |
お問い合わせ先 |
|
内容を編集する場合はこのボタンをクリックしてください。