イベント名 |
第5回物理教室談話会 実空間構造によるトポロジカル状態のマルチスケール設計:理論と応用 |
---|---|
イベント種類 | セミナー |
講演者(講師) | |
イベント詳細 | 【講師】苅宿俊風先生(物質・材料研究機構) 【アブストラクト】 現在のトポロジカル系の盛んな研究は、時間反転対称性によって保護された狭義のトポロジカル絶縁体の発見が端緒となっている。しかし狭義のトポロジカル絶縁体にはその実現にスピン・軌道相互作用を要するなど、幅広い系への発展には向かない側面もある。 一方、ハニカム格子模型を実空間で変調することでトポロジカル状態を実現する手法が知られている[1]。この手法の要点はユニットセルを拡大する変調によって増えた内部自由度を擬スピンとして扱うことで、二次元トポロジカル絶縁体である量子スピンホール状態に類似した状態を実現することである。擬スピンがよく定義される範囲内でしかトポロジカルな堅牢性が担保されない反面、実空間構造のみを要するためメタマテリアルなど人工的な制御が容易な系への発展が見込めるほか、スピン・軌道相互作用の強さによる限界に左右されない物質設計が可能となる。実際、変形ハニカム格子模型はフォトニック結晶をはじめとする様々な系でトポロジカル状態実現のために採用されている。 今回はトポロジカル状態実現のための変形ハニカム格子模型の設計についてその理論的背景を解説したのち、その普遍性を示すためナノスケールの電子系であるグラフェンナノメッシュでの数値計算の結果[2]やセンチメートルスケールのLC回路での実験結果[3]を、トポロジカル状態を特徴づける境界状態に着目しながら紹介する。 [1] 苅宿俊風, 胡暁「ハニカム格子を用いたトポロジカル状態創成」固体物理 55, 185 (2020). [2] T. Kariyado, Y.-C. Jiang, H. Yang, and X. Hu, Phys. Rev. B 98, 195416 (2018). [3] Y. Li, Y. Sun, W. Zhu, Z. Guo, J. Jiang, T. Kariyado, H. Chen, and X. Hu, Nature Commun. 9, 4598 (2018). 談話会終了後、懇親会(食事会)を、予定しています。 出席希望の方はご連絡下さい。 |
対象 | 教職員向け 在学生向け |
使用言語 | |
キーワード | |
開催期間 | 2021年12月7日 16:30 〜 18:00 |
会場 |
|
定員 | なし |
申込み方法 | 事前申込み不要 |
お問い合わせ先 |
|
内容を編集する場合はこのボタンをクリックしてください。