イベント名 |
令和2年度第2回 物理学教室談話会 準局所保存量と可積分量子スピン鎖の非平衡でのふるまい |
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イベント種類 | セミナー |
講演者(講師) | |
イベント詳細 | 要 旨 可積分系における準局所保存量が、可積分量子スピン鎖の非平衡でのふるまいにどう影響するかについてお話しする。特に、XXZスピン鎖を例にとり、次の二つの問題に焦点を当てて議論する。 1. 可積分系の緩和先 最近、孤立量子系の熱化についての議論が盛んに行われている。熱化のメカニズムに関してeigenstate thermalization hypothesis (ETH)が提唱され、非可積分な場合は全てのエネルギー固有状態に対してETHが成立すると信じられている。一方で、可積分な場合は全ての固有状態に対してETHが成立するわけではなく、その緩和先はgeneralized Gibbs ensemble (GGE)で記述される。GGEはカノニカル分布を一般化して系がもつ複数の保存量を含む形に置き換えたものであるが、どの程度の保存量がGGEに含まれるべきかについてはいまだ多くの議論がある。XXZスピン鎖に関しては、準局所保存量を含むGGEで緩和先が記述できるという一応の証拠が得られたので、それについて説明する。 2. スピンカレントの弾道性 一次元可積分系のカレントが有限であるかどうかの議論は、実験・理論ともに長い歴史がある。保存カレントである熱流にはじまり、非保存カレントであるスピンカレントが主な研究対象となっている。今回は、XXZスピン鎖における外部磁場ゼロ、有限温度でのスピンカレントに焦点を当てる。非保存カレントが長時間経過後に有限に残るかどうかは、系がもつ保存量とカレントの間にoverlapがあるかどうかで決定される。準局所保存量の性質の一つである奇のパリティを利用し、スピンカレントが有限であることを示す。 |
対象 | 教職員向け 在学生向け |
使用言語 | |
キーワード | |
開催期間 | 2020年10月29日 16:30 〜 18:00 |
会場 |
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定員 | なし |
申込み方法 | 事前申込み不要 |
お問い合わせ先 |
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