イベント名 |
第3回地球惑星科学談話会 海底堆積物から探る南海トラフの地震履歴 |
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イベント種類 | セミナー |
講演者(講師) | |
イベント詳細 | 講演者: 芦 寿一郎(東京大学・自然環境学専攻/大気海洋研究所 准教授) 過去の地震や洪水は海底や湖沼底にイベント堆積層として記録される.地震では斜面の崩壊にともない堆積物重力流が発生しイベント層が形成される.洪水では土砂が直接に海底(湖沼底)に移動・堆積,あるいは一時的に堆積した後に斜面の崩壊により再移動しイベント層が形成される.これら海底や湖沼底のイベント層は,侵食の卓越する陸上に比べて,記録の欠損が少なく,より古い時代までのイベントの履歴復元に用いることができる.しかし,南海トラフにおいては研究例が限られ,広く知られている地震の繰り返しの情報はすべて陸上の記録が元になっている.研究が進んでいない原因としては,非イベント時の半遠洋性泥と研究に多く用いられる細粒のイベント層の区別が難しいこと,精度の高い年代決定が容易でないこと,が挙げられる. 発表では,堆積物中の全有機炭素(TOC)の放射性炭素年代決定,XRFコアスキャナー(ITRAX)を用いた非破壊の化学組成分析,およびX線CTスキャナーを用いた物性測定を高密度で行った例について紹介する.これら3種類のデータの相互の比較は,イベント層の基底の位置はもとより,イベント層の上限である半遠洋性泥との境界の位置の推定に有効であることが分かった.また,全有機炭素の放射性炭素年代の補正値を用いることで,火山灰層や有孔虫化石の放射性炭素年代測定では年代決定の難しい層準においても従来に比べて精度の高いイベント年代を得られる可能性が示された. |
対象 | 教職員向け 在学生向け |
使用言語 | |
キーワード | |
開催期間 | 2019年11月19日 16:30 〜 17:30 |
会場 |
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定員 | なし |
申込み方法 | 事前申込み不要 |
お問い合わせ先 |
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