イベント名 |
第11回地球惑星科学教室談話会 オスミウム放射性同位体記録が語る地球史 |
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イベント種類 | セミナー |
講演者(講師) | |
イベント詳細 | 演者: 黒田 潤一郎(東京大学・大気海洋研究所) <要旨> 放射性起源同位体組成は,地球表層における物質循環のトレーサーとして重要なツールである.白金族元素の一つであるオスミウム(Os)もまた,そのようなトレーサーの一つである.オスミウムは,184Os, 186Os, 187Os, 188Os, 189Os, 190Os, 192Osの同位体が天然に存在し,そのうち187Os は,187Reが壊変して生成する放射性起源同位体である.この放射性起源同位体の安定同位体との相対比(187Os/188Os)がオスミウム同位体比として用いられる.現在の海洋中では,オスミウム同位体比は全海洋で概ね同じ値(1.0~1.1)となっており,その平均滞留時間は,数千年から4万年程度と見積もられている.海洋に供給されるオスミウムは,主に3つの起源を持つ.すなわち(1)上部大陸地殻から風化や浸食により河川水や風成塵を介して供給されるオスミウム,(2)マントルから熱水変質や火山活動により供給されるオスミウム,(3)地球外から宇宙塵などを介して供給されるオスミウム,である.(1)は放射性起源同位体に富み,高い値を取る.一方,(2)や(3)は,放射性起源同位体に枯渇し,低い値(0.13~0.15)を取る.海水のオスミウム同位体組成は,これらの供給源からのオスミウムの供給バランスの変動を反映して変動する.地質時代においては,オスミウム同位体比は大きく変動している.例えば,新生代を通して,オスミウム同位体比は徐々に高くなっている.その長期的な変動に加えて,短期的な変動も認められる.このような変動は,地球表層での物質循環と密接に関連しており,過去の地球で起こったイベントを反映している.今回の談話会では,オスミウム同位体記録から明らかになった,巨大火成岩岩石区の形成に伴う大規模火山活動と海洋無酸素イベントや大量絶滅イベントの関連についての研究を紹介する.また,オスミウム同位体記録を用いた海洋ゲートウェイの開閉の歴史に関する研究も紹介したい. |
対象 | 教職員向け 在学生向け |
使用言語 | |
キーワード | |
開催期間 | 2018年10月3日 16:30 〜 17:30 |
会場 |
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定員 | なし |
申込み方法 | 事前申込み不要 |
お問い合わせ先 |
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