イベント名 |
宇宙初期の軽元素組成の進化と銀河系初期のリチウム組成 |
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イベント種類 | 講演会 |
講演者(講師) | |
イベント詳細 | 氏名 日下部 元彦 所属 北京航空航天大学/国立天文台 ビッグバン元素合成以降に起こり得る様々な物理過程による軽元素組成の進化、及び化学種分離の可能性についてお話しする。ビッグバン元素合成の標準模型は、天文観測から推測される軽元素の始原組成をよく説明する。しかし、リチウムの理論値は、(鉄の組成が小さい)古い星での観測値に比べ、3から4倍大きい。この違いの原因は明らかになっておらず、リチウム問題と呼ばれている。様々な非標準模型で、始原組成の変化が起こるが、リチウム組成を減らしつつ他の原子核組成を不変に保つことは一般に難しい。一方で、選択的に7Be(これの電子捕獲により7Liが合成される)を破壊する機構が存在すれば、リチウム問題が解決できる。超対称性理論に登場するような、電荷や色を持つ重い粒子が存在すれば、それらと原子核との相互作用により、元素合成が影響を受け、リチウム問題が解決する。加えて、9Beやホウ素の組成が増加するため、将来の天文観測により、模型を検証できる。 銀河系の初期元素組成は、始原組成が、構造形成過程や銀河形成前の超新星活動を通して変更を受けたものである。構造形成時の化学分離はリチウムを選択的に構造の外に逃がし、銀河系初期のリチウム組成を有意に小さくする可能性がある。また、銀河系形成前及び形成中の宇宙線元素合成は9Beとホウ素の組成を増加させる。 このように、様々な物理過程により、宇宙進化に伴ってリチウム組成が減少し、ベリリウムやホウ素の組成が増加する可能性がある。 Motohiko Kusakabe IRCBBC, School of Physics and Nuclear Energy Engineering, Beihang University H1017, new main building, no.37, Xueyuan Rd., Haidian District, Beijing 100083 China |
対象 | 教職員向け 在学生向け |
使用言語 | |
キーワード | |
開催期間 | 2018年6月11日 14:30 〜 16:00 |
会場 |
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定員 | なし |
申込み方法 | 事前申込み不要 |
お問い合わせ先 |
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