イベント名 |
2016年度第4回地惑教室談話会 ヒマラヤの変成岩ナップのテクトニクスと冷却史 |
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イベント種類 | 講演会 |
講演者(講師) | |
イベント詳細 | 講師:酒井治孝(京都大学) 要旨: ナップ構造はアルプスで発見され、その後世界各地から報告されているが、ナップの形成プロセスや運動メカニズムについては良く分かっていない。ヒマラヤ山脈では厚さ約10 kmの変成岩ナップが東西延長2000 km、南北幅80~120 kmに亘って原生界から前期中新世のレッサーヒマラヤの堆積岩をほぼ水平に覆っており、第1級の構造を成している。演者は過去15年に亘り、変成岩ナップの形成プロセスと冷却過程の解明、およびその結果に基づきヒマラヤの変成帯の起源を解明することを目指して研究を行ってきた。今日はその研究成果の概要についてお話しする。 変成岩ナップとその下の現地性レッサーヒマラヤ堆積物の砕屑性ジルコンとアパタイトのフィッション・トラック年代の研究の結果、変成岩は14.4 Maに地表に露出し、年間3〜4cmの速度で前進し、11〜10Maにはその運動を停止したことが判明した。またナップの240℃の等温線は、その先端から北方に向けて側方に、年間約1cmの速度で後退し、現在はヒマラヤの稜線より60 km北に後退していることを推定した。変成岩ナップの変成度とP-T条件は、南北幅80〜120kmに亘って変わらないと言う事実を基に、ヒマラヤの変成帯の起源は、部分融解したチベットの中部地殻に求められることを指摘した。 (参考:岩波科学85巻10号 (2015年10月号) 956〜962頁のレビュー論文) |
対象 | 教職員向け 在学生向け |
使用言語 | |
キーワード | |
開催期間 | 2016年9月1日 16:30 〜 17:30 |
会場 |
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定員 | なし |
申込み方法 | 事前申込み不要 |
お問い合わせ先 |
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