イベント名 |
2016年度第2回地惑教室談話会 特集:熊本地震と災害対策 |
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イベント種類 | 講演会 |
講演者(講師) | |
イベント詳細 | (1) 講師:清水 洋(地震火山観測センター ) 題目:2016年熊本地震の地震学的特徴と今後の活動予測 (2) 講師:杉本 めぐみ(決断科学センター) 題目:「九州大学災害支援ネットワーク」の立ち上げとご参加のお願い 要旨(清水) 九州には、阿蘇カルデラ西外輪付近から八代海にかけて、総延長140kmに及ぶ布田川−日奈久断層帯が走っており、中央構造線の西方延長と考えられている。2016年熊本地震は、主にこの布田川−日奈久断層帯が活動したもので、4月14日の最大前震M6.5と4月16日の本震M7.3の2回の地震で最大震度7を記録した。これらの地震にともなって生じた地表地震断層や地殻変動から、最大前震(M6.5)は日奈久断層の北部(高野−白旗区間)、本震(M7.3)は布田川断層の主要部(布田川区間)がそれぞれ右横ずれ運動をしたものと推定されている。しかし、高密度の地震観測データの解析によると、前震と本震の発生機構は上記のような単純なものではなく、前震と本震の初期破壊面は、布田川断層とも日奈久断層とも一致しないこと、布田川断層と日奈久断層の会合部付近には複数の震源断層が並行して存在すること、布田川断層帯に沿って発生している余震の多くは布田川断層の面外で発生していること、などが明らかになった。これらは、内陸地震の震源断層と活断層の関係について、従来の「常識」とは異なる観測事実であり、内陸地震の発生機構に関する今後の研究に新たな視点を与えることになると考えられる。 布田川−日奈久断層帯については、国の地震調査研究推進本部による長期評価が公表されており、特に日奈久断層はわが国の主要な活断層の中では要注意の断層帯の一つとされていた。また、布田川断層と日奈久断層の会合部の益城町付近において1999年から2000年にかけてM4.8を最大とする活発な地震活動があり、震源分布と発震機構から日奈久断層の北端部の一部が動いたものと考えられた。これらに基づき九大地震火山観測研究センターは、断層帯会合部に応力が集中している可能性が高いことを指摘していた。これらは、内陸地震の中長期予測の研究成果であるが、今後これらの情報をいかに的確かつ分かりやすく社会に伝えていくかが課題である。 要旨(杉本) 熊本地震が起こり九大の教員は手弁当で支援活動を行ってきた。このたびそれらの個々の支援活動をもつなぐ九州大学災害支援ネットワークを立ち上げる。このネットワークは、熊本地震の支援にとどまらず、今後の九州の様々な災害の防災や災害時の支援に向けて、大学の知的リソースを生かして、被災地にパッケージとして支援メニューを提示することができるようになることを目指している。 本講演では、他大学の動きや本学との連携希望等を紹介した上で、学内のこれまでの活動、現在私たちが進めようとしている目的と方向性を紹介する。 福岡県内の大学では学生ボランティアセンターが設置して学生が被災地に定期的に送られたりするなど活発な活動が行われている。また、演者も参加した東日本大震災後に発足した教員だけの東京大学被災地支援ネットワークは、50人程度で発足して現在は170名となっている。 本学では教員の有志の活動が組織化されることは動きがなかったが、学内有志により6月15日にキックオフミーティングを開いた結果、7月13日伊都キャンパスで全学的なネットワークを立ち上げて、今後の計画を具体的に話し合うことにした。各学科、センターに一人以上の参加を働きかけているところである。 本ネットワークでは、地震災害にとどまらず、気象災害や火山災害等を含めた包括的な支援パッケージを作ることを目指しているので、地球惑星科学科の教員・学生の皆さんにもぜひ参加をお願いしたい。 第一回学内会議:7月13日19時より伊都キャンパス パブリック1号館セミナー室 |
対象 | 教職員向け 在学生向け |
使用言語 | |
キーワード | |
開催期間 | 2016年7月5日 17:00 〜 18:00 |
会場 |
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定員 | なし |
申込み方法 | 事前申込み不要 |
お問い合わせ先 |
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