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令和6年度 奨学金受給者報告書

氏名 Eさん
学科・専攻、学年 物理学科 2年
留学先(国名) 国立中山大学(台湾)
留学期間 令和7年2月23日~令和7年3月22日

留学内容について

 大まかな時間割ですが、平日午前中に3時間台湾華語の授業を受け、午後はツアー、文化体験、または自由時間でした。まず、午前中の授業ですが、これはあまり文法その他を重視するものではなく発音や生活の中での実践可能性を重視するものでした。例えば、基本的な自己紹介の仕方や相手の好みの聞き方、バスやタクシーに乗る際の会話、値切り交渉の会話などです。このような実践的な中国語においては初学者であった私も1年間勉強してきた周りの参加者たちもあまり差なく成長を感じられるものであったため助かりました。次にツアーについて説明します。ツアーには引率の先生とツアーガイドさん、そして留学先大学のTA2名がついて下さいました。行き先としては、大学の近くに位置する島、旗津島や、大学周辺の散策、内陸の美濃という地域での文化体験、また台南市の市街観光などがありました。どれも興味深いものでした。最後に文化体験ですが、これも様々なものがありました。篆刻や歌の指導、飴細工、さらには麻雀も体験しました。

 そして現地の人との交流ですが、朝昼晩の飲食店での注文やTAとの会話、そして現地で知りあった友達との会話がありました。飲食店での注文ははじめ全くできませんでしたが、何度も繰り返すうちにできるようになりました。相手の言うことが聞こえるようになるというよりは、聞こえなくても乗り切ることができるようになったという方が正しいです。そしてTAとの会話ですが、彼は逆に日本語を勉強中だったので、一緒に食事に行き言語交換をする形で仲良くなることができました。現地で知り合った友達と飲みに行ったときは皆英語で会話していたので、英語の必要性を強く感じました。

旗津島ツアー中の写真
旗津島ツアー中の写真

他国の人たちとの交流を通じてどのような変化がありましたか?

 自身に起きた変化は、中国語での生活能力の向上と外国人に対する接し方のマインドの変化です。一つ目は上で説明した通り、飲食店での注文です。二つ目は、TAの台湾人や現地で知り合った台湾人やフィリピン人の学生と遊ぶ中で、彼らには精神的な垣根がなくとても楽しく時間を共有することができていると感じました。私も九州大学で留学生サポーターのアルバイトをしており、留学生を受け入れる側としてこれまで以上に彼らと接する機会を増やし、私が高雄で受けたようなホスピタリティを与えられるように努力したいと思うようになりました。

現地の柔術道場での写真
現地の柔術道場での写真

留学によって変化が見られた事項について

 理学専門分野での変化として挙げられるのは、現地大学の半導体の研究室を見学したことで半導体への興味がわいたことです。どちらかというと理学よりも工学寄りの研究室だったのですが、私の興味は工学寄りにあるのかもしれないと感じました。

 語学力の変化ですが、向上したと実感するのは、生きるのに最低限必要な日常会話です。残念ながらリスニング力はあまり向上したとは思いません。これは単語と文法の勉強が足りなかったからだと考えられます。その証拠として、九州大学で1年間単語と文法の勉強をしていた参加者は現地で耳を効率的に鍛え、リスニング力を顕著に向上させている例が多かったからです。しかし、現地で生活する力はついたと感じます。留学初めごろは留学仲間と離れて一人で行動するのはとても不安でしたが、今では自信をもって一人でお店に入ることができる自信があります。

研究室見学の集合写真
研究室見学の集合写真

今回の留学がこれからの進路にどのように活かされますか?

 今回の留学はこれからの進路を決定する要因というよりは、進路の選択肢を広げてくれたと感じます。今回の留学を通して中国語、また英語をもっと勉強したいという気持ちが生まれたので、そのような時間を確保するような進路決定をすることになるかもしれません。

現地のTAの学生との写真
現地のTAの学生との写真

留学を考えている学生に向けて留学して良かった事、準備しておけば良かった事等について

 良かったことは新しいフィールドに飛び込むことができたことで、準備しておけばよかったことは中国語の基礎能力です。私は1年次の第二外国語でスペイン語を選択していたので中国語は数字の数え方も知らない程度でした。そんな状態でこのプログラムに飛び込みましたが、そのおかげで対時間成長度はかなり高かったのではないかと感じています。また、単純にグローバルな友達が増えたことはとてもうれしいです。

 しかし、裏返したことですが前もって勉強しておくことに越したことはないと思います。現地人と話をしていて、周りが理解していて自分だけ全くわからないということもあったので、やはりそのような実践機会の差分だけ語学レベルの到達地点には差があるのは確実です。

CLC(華語教学中心)のスタッフとの集合写真
CLC(華語教学中心)のスタッフとの集合写真