氏名 | Cさん |
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学科・専攻、学年 | 物理学科(国際理学コース) 2年 |
留学先(国名) | ケンブリッジ大学(イギリス) |
留学期間 | 令和5年8月21日 ~ 令和5年9月10日 |
夏季休暇を利用して、イギリスのケンブリッジ大学に3週間ほど滞在しました。今年度から基幹教育院の集中講義になりましたが、言語文化研究院の教授の個人的な努力で長年続いてきた研修で、20年ほどの歴史があります。数年後にはその先生が引退されるため、この研修が続いているかはわかりませんが、続いてほしいと私は強く思います。
イギリスの大学はさらに様々なカレッジというものに分かれており、ケンブリッジ大学の中で三番目に古い、ペンブロークカレッジに滞在して講義やその他の活動に参加しました。カレッジは学生や教員が過ごす寮のような役割を担っていて、食堂や図書館、運動のできる施設などが充実していました。
平日は発音を中心とした英語の授業と、ケンブリッジ大学の教授による科学の講義を受けました。隙間時間にはケンブリッジ大学の学生とスポーツをしたり、町を散策したりする時間がありました。週末にはケンブリッジから少し離れた都市に行って、自由に過ごすことができました。
私も含めた、海外に行ったことのない多くの人が抱きがちな偏見として、海外の人は明るい、親切だという認識があるように思います。これは学校教育の中で交流する外国人が、みな社交的な方ばかりだからだと思います。しかし海外に行けば、実際にはそうでない人、例えば、人種差別をする人、見るからに薬物中毒の人、ホームレスの人など、日本より注意が必要な場面が多くありました。実際に財布を盗まれた人や差別的な言い方をされた人もいました。その一方で、イメージ通りの社交的な方も大勢います。何気ない気配りをしてくれる方や親切に道を教えてくれる方など、心温まる瞬間も多かったです。
もっとも衝撃的だったのは、ケンブリッジ大学の学生の教養の高さです。とても同世代とは信じられませんでした。彼らと共に過ごした時間は大きな刺激になりました。
ケンブリッジ大学には巨大な博物館や庭が複数あり、特に私は古生物学博物館や動物学博物館に何度も行きました。これらの博物館には始祖鳥の化石やカンブリア紀の化石があり、進化と絶滅の歴史を肌に感じました。帰国後は専攻の科目だけではなく、他の分野についても学びたいです。
ケンブリッジ大学は、古くから物理学の発展に貢献してきた大学で、ニュートンやホーキングなどの有名な物理学者を輩出してきました。初めて電子が発見された研究所を見学する機会があり、数多の成功の秘密を自分なりに考察することができました。また、ときには教員と学生が下の名前で呼び合うことがあるらしく、驚きでした。(出藍の誉れということですね。)
かつてアインシュタインは、人の常識は18歳までに集めた偏見のコレクションだと言いました。私はイギリスへ行き、このことを至るところで実感しました。コロナ禍で、こういった経験が長らく途絶えていた上に、国際情勢の悪化や円安の加速など、先行きの不透明な中で、留学をさせて頂けたことに感謝しています。
この研修を通して、私は世界一の研究者を目の当たりにし、今まで物理学者への憧れは、より身近な超えるべき試練へと変わりました。(本の中での憧れの存在が、知り合いになったかのような感覚です。) 今後は、自分が新しく物理の世界を開拓する研究者になるのだという、高い志を持って、勉学に励んでいきたいと思います。
イギリスはクレジットカード社会のため、クレジットカードしか使えない店もあります。紛失した時のために2枚以上準備することをお勧めします。特に学生は利用可能残高の上限があるので、強くお勧めします。さらに、VISAかMasterCardしか使えないため、JCBなどでカードを作らないように気をつけてください。
現地で携帯のSIMカードを購入する場合は、ご自身の携帯にSIMロックが付いていないことを確認しておいてください。古いiPhoneなどには付いていることがあります。
2023年現在、円安が進行していて、現地の物価が日本の2倍近くにまで上がっています。特に下着は手に入りにくく、高価なことがあるので日本で多めに準備することをお勧めします。
これらは全て私が個人的に困ったことですので、その点をご理解いただいた上で、参考にして頂けると幸いです。