氏名 | Bさん |
---|---|
学科・専攻、学年 | 地球惑星科学科 2年 |
留学先(国名) | ハイデルベルク大学(ドイツ) |
留学期間 | 令和5年8月2日 ~ 令和5年9月14日 |
およそ一カ月間、ドイツ語の授業を様々な国からの参加者と共に受講する。メインの必修の授業はレベル別にクラス分けされ、午前中に開講された。午後はレベルごとに自由選択のゼミナールや合唱・演劇等のワークショップが行われた。週の初めの月曜日には前週に学んだ内容がテストされた。その他、週末には遠足や文化施設見学、平日の夜にはコンサートや映画鑑賞に参加することができた。また、運動会や国際文化交流会、フェアウェルパーティが催された。クラスには一人ずつハイデルベルク大学の学生がチューターとして担任し、個人的に週末にイベントを企画して下さることもあった。
授業は主にレベル別のテキストを利用する。使用言語は主にドイツ語である。受講者が説明を理解することが困難であった場合にのみ英語が使用された。内容は身近な生活の一場面での会話等から学ぶ。
参加者は基本的に大学の寮やアパートに滞在するが、私はホストファミリーの家に滞在することになり、週末に近くの街を案内して頂いたり、映画祭に連れて行って頂いたり、大変お世話になった。
他国からの参加者とは英語またはドイツ語で交流する。中には英語よりドイツ語の方が得意であるという参加者がいて驚いた。ヨーロッパからの参加者は英語を流暢に話すことができ、3か国語以上話せることは珍しいことではない。4か国語を流暢に話せるという参加者もいた。私はここで英語が扱えることはこの時代において当然であることを自然と受け入れなければならなかった。自然なことであるが、「英語なら通じる」と思い込んでいる人が多く、英語が通じない状況に面して不思議な顔をする者がいたことは違和感を抱くものであった。
また、他国からの参加者との交流で専ら話題になるのは自国についてである。その場面で、私は日本のことについて答えられない話題が多くあるということに気づいた。
私は周囲の目を気にする癖があるが、多くの参加者は過剰に気にしているようには見えなかった。ドイツの人々は個々の自由を大切にし、「自分は自分」という空気があったように思う。私はその点を見習う必要があると考えた。
日常会話において難しい話題以外は相手が何を言わんとしているのか理解できるようになってきた。以前はスピードについて行けず、理解するのが困難であった。ある程度理解することで、その次の返答がし易くなり、相槌や質問などをすることができる。特に、私はホストファミリーと生活していたことで、生活の場面で使われるドイツ語を習得することができたと思う。簡単なドイツ語で生活に必要なことを言えるようになったことは大きな収穫であった。
また、自分の意見をはっきり言わなければいけない空気が強く、以前は曖昧にすることが多かったが、はっきりと主張する癖がついたように思う。
私は自分の語学力不足を痛感した。簡単な英会話、独会話ができるだけでは込み入った議論をすることは難しく、歯がゆい思いをすることが多かった。私はドイツの大学院に進学することを検討していたが一層その気持ちが強くなった。それまでに更に語学力に磨きをかけたいと思うようになった。そして日本のことについても良く学びたい。
短期の語学留学では、集中的に対象言語を学ぶというよりも、それまでに身に着けた力を使うことに時間を割く方が有意義であると思う。というよりもイベント等が多く、通常の語学学習に時間を割くことが難しい。つまり、行く前に良く学習すると認識できるものが増え、充実する。また、留学が始まってからしか行事予定を知ることができないこともあるため、事前に立てた計画を変更する必要もある。
色々な国の人と交流することは大変楽しいものであった。それらの国々の事情を会話を通して知ることができるのは楽しい。何より、友人ができるとその国を身近に思うことができるようになる。
旅行をする際はユースホステルに泊まると同部屋の人と交流できて面白い。また、ビアガーデンの相席に飛び込んでみることも勧める。ドイツの人は基本的に優しいので受け入れて下さる。滞在したのは旧西ドイツ地域であったが、旧東ドイツ(DDR)出身の人と出会って話を聞くことができた。
最後に、ドイツでは英語ができればある程度困らないというのは正しいが、やはりドイツ語で会話出来るのが良いと思う。