氏名 | Oさん |
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学科・専攻、学年 | 地球惑星科学科 国際理学コース2年 |
留学先(国名) | オレゴン州立大学(アメリカ合衆国) |
留学期間 | 令和2年2月20日~令和2年3月19日 |
留学中、月~金曜日は朝8時から11時または12時まで授業があります。授業の内容は一限が英語のスピーキングとリスニングの授業、二限は理科またはオレゴン州の文化についての授業で、すべて英語でのやりとりですが先生方がフレンドリーで内容もある程度簡単なので楽しいです。歩き回って友人と会話したり、毎日違う人と班を組んで話し合ったり、実際にストローなどで橋を作ったりと、私たちが退屈しないような授業内容を組んでくださっています。
午後は何も予定が入ってない日が多いですが、午後、ダウンタウンをSPAと呼ばれる私たちをサポートしてくれる学生さんと周ったり、科学系の研究室を巡ったりというプログラムを組まれている日もあります。夜にはSPA達と共に野球観戦したり、現地の学生さんと一緒に日本食を作るプログラムが組まれている日もあります。こういったプログラムがあることでOSUでしかできない体験ができたり、自分から進んで行こうとは思わない場所へ連れて行ってもらえたり、思わぬ出会いがあったりと、たくさんの収穫がありました。この留学プログラムに参加してよかったと思うことの一つです。
週末には参加者全員でポートランド市街、フードイノベーションセンター、海岸線の町ニューポートなどに連れて行ってもらい、OSUの研究施設などを見せてもらう日もありました。OSUがいかにすごい大学か、自分たちのような科学に関わる学生にどのような進む道があるのかを見せてもらえた気がしました。何も入っていない休日もあるので、パートナーたちと隣町に出かけたり、九大の学生とご飯を作ったりジムに行ったりということも自由にできました。自由な時間が適度にあるのがこのプログラムの良いところです。
私たちにはJapanese Conversation PartnerとEnglish Conversation Partnerが与えられました。English Conversation Partnerはボランティアの主婦さんや学生です。時間を作って会い、英語での会話能力を伸ばします。Japanese Conversation Partnerは同年代の学生なので少しの日本語を交えながら遠出しているペアが多く、私もパートナーと隣町まで遊びに行ったりしました。
住むのは大学の敷地内の寮で、実際に現地学生のルームメイトと共に一か月生活します。各階にはラウンジがあり、友達と夜遅くまで話したり勉強できたりできます。セキュリティもその寮に住んでいる学生のカードでしか入れないなど、心配ありません。何かあったら相談に乗ってくださる先生もいるのでとっても安心です。
私は、Japanese Conversation Partnerであるキャサリンと話すことが大きな影響を与えてくれたと思っています。彼女は日本語を学ぶ学生として、他言語を聞き取ることの難しさを知っているので、私に対しても聞き取りやすいようにゆっくり話してくれました。彼女の優しさに触れ、この人ともっと英語で話し合いたい、と思ったことで1対1での会話が楽しいと気づけました。
また、友達のパートナーに英語、日本語、韓国語をスムーズに話せるトリリンガルの韓国人がいて、友達になりました。同じ年齢の彼が三言語を自由に操れるのに、私は英語でこんなに苦労しているのかと初めて感じました。このように尊敬できる友人を得られたのもこの留学での成果です。
私は暇な午後には一人でダウンタウンに出かけ、街を眺めたり、話しかけてくれる街を歩く人や店員さんとの会話を楽しみました。恐れていた、コロナ騒ぎでのアジア人差別などは全くなく、みんなが私の帰国後の健康を願ってくれました。
現地の人々や友人の分け隔てなく親しく関わろうとする姿勢が印象的です。それに気づけたことが苦手だった英語へのかかわり方を前向きに変化させました。
英語にあふれた環境で生活することで、感覚的な表現にはなりますが、今までは英文を作ってから口から出していたのが、とりあえず口から英語が飛び出すようになりました。難しい単語はわからないので、状況を誰かに説明したり、地球物理学の授業を復習したりというのはとても難しかったですが、日常会話を頭で考えることが減り、会話を楽しむことができるようになりました。
地球科学分野の授業にも参加させてもらいましたが、聞き取ることができないくだりがあっても、グラフや数値での理解ができたので楽しく受講できました。でも、せっかくOSUの先生の授業を受けているのにすべての言葉を理解できないことは悔やまれました。今後OSUに本プログラムで留学する学生さんには、自分の興味のある分野の授業を日本語の段階で習得しておくこと、そしてある程度の英語力を身に付けておくことをお勧めします。
私の興味のある分野はこの経験を通してもやはり変わらず、岩石循環分野、または観測地震火山分野です。これはパートナーのキャサリンにオレゴン州で採掘された石を売ってあるお店に連れて行ってもらったり、プログラムで海岸線に行って豊かな自然を目の当たりにしたことで自分の興味のある分野への熱意が強まった気がします。鉱物や石の英語の本を何冊も買えたこともとても嬉しいです。
経済的に厳しいところがあり実現することはありませんが、OSUにもう一度留学したいという気持ちがあります。大学全体が一つの町のような、昔ながらの建造物と緑にあふれた校舎でもう一度生活したいという気持ちはとても強いです。治安もいい地域だったので、なおさらです。もちろん就職や転勤という形でアメリカを訪れるのも大いにあり得る将来だと実感しました。進みたい分野は絞られ、進みたい理想の生活のイメージは広がったと言えると思います。
先ほども述べましたが、専攻の基礎的な内容とある程度の英語を習得しておくことをお勧めします。授業の内容がわからない、手続きの説明を聞き取れず二度手間になってしまう、という面で後から後悔をします。
日本からのお土産はたくさん持っていきましょう。お世話になった人に英語で感謝を伝えるのは難しく、もどかしいです。また、ルームメイトやパートナーが紹介してくれた友達にもしお土産を渡すことができれば、会話のきっかけになったりします。
準備しておいてよかったと感じたのは、買いたい本をリスト化しておいたことです。自分の好きな物語、鉱物の専門書などを絞っておいたので本屋さんで時間が限られていても無事にお目当ての本を発見できました。
違うプログラムで同じ時期にカナダに留学に行った知り合いがいますが、その子は私と違い現地の学生のお友達はできていませんでした。プログラム上日本人との交流かホームステイ先のおばあちゃんとしか話さないと言っていました。そのような話を聞くと、参加したのが現地学生と関わる機会を豊富にあるこのプログラムで本当に良かったと思いました。日本人の団体で行くと日本人同士でしか話さないからOSSEPには参加しないと言っている友人がいましたが、そんなことは絶対にありません。英語の授業のレベルに満足できない人はもしかしたらいるかもしれませんが、これは日本人とだけやり取りをする留学ではありません。日本人学生と、あるいはOSUの学生とどれだけ関わるかも自分次第ですし、OSUの友達を作るには自分の積極性次第です。このプログラムは十分に交流の機会を与え、また交流を広げるためのツールの紹介を十分にしてくれるものであり、それを元に自分の力で充実させるものでした、とOSSEPに行こうか悩んでいる人や、OSSEPを否定した友達に伝えたいです。少し力の入った文章になってしまい、すみません。