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氏名 | Fさん |
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学科・専攻、学年 | 化学科1年 |
留学先(国名) | アメリカ合衆国(オレゴン州立大学) |
留学期間 | 平成31年2月21日~平成31年3月21日 |
約1ヶ月間、オレゴン州コーバリスにあるオレゴン州立大学に語学留学に行った。留学期間中は午前8時からリスニングとスピーキングの授業、アメリカ文化の授業、そして自然科学の授業を受講した。序盤は自分から発言する事に抵抗があり、なかなか積極的に意見を述べることができなかったが徐々に発言も増え、終盤では思っていることや分かっていることはしっかりと伝えられるようになった。
また、授業時間外でも様々な活動に取り組んだ。オレゴン州立大学で実際に開講されている授業を参観し、現地学生がどのようなことを学んでいるのか生で見ることができた。中でも学部3年生向けの有機化学の授業はとても印象に残った。オレゴン州立大では学部3年生が糖類や脂肪について学習していた。この内容は私たち日本人学生は高校3年生で既に履修が済んでおり、大学受験においても頻繁に出題される範囲である。そのため、その講義内容は専門用語さえ分かれば確実に理解できるものだった。この授業を参観したことで、アメリカの教育と日本の教育とでは進捗状況に大きな差があることを知ることができた。留学する前までは授業を参観しても高度な学習内容で全く理解できないだろうと思っていたため、この事実は私に驚きを与えた。正直な所、もう少し高度な内容を期待していたので残念に思った。とはいえ、学ぶことは多かったように感じる。
その他にも大学内にある理学部や農学系の学部、地学や海洋について学ぶ学部の見学や現地学生との懇談の時間など様々な企画が設けてあり、現地学生がどのようなことを学んでいるか、どのような研究室が設けてあるかなどオレゴン州立大学の科学系の学部の取り組みについても知ることができた。
週末はポートランドやニューポート、アウトレットモールに観光しに行く時間も確保してあり、授業以外の時間も十分に楽しめた。
現地学生との交流を通して学べたことは日本人に比べて間違いや失敗、分からないことを質問することへの恐怖心が全くないことだ。日本人はシャイだと言われがちだが、シャイというよりも失敗や周りからどう見られるかなどを気にし過ぎているように思う。それに対して、オレゴン州立大学の学生たちは「先生、質問してもよろしいでしょうか?」と手を挙げ、疑問をぶつけるなど、自分が授業内容を理解するためにどうすればよいか考え、それに準じて行動できている。日本の学生も大学に入り高度な学問を学ぶ以上はアメリカの学生のような振る舞いをすべきなのではないかと思った。
留学を通して変化したことは固定概念に囚われないことです。自然科学の授業の先生が「枠にとらわれず、閃きを大事にしなさい。頭を柔軟にして、視野を広げて、問題を解決できないと科学者の道は進めない。」と授業中に何度も言っていた。確かにそのように思う。理学を学ぶということは未知の領域に手を伸ばし、知の領域を広げていくということであって、これを実際に行う上で、柔軟な思考や広い視野、行動力などは必要不可欠であるように思う。枠に囚われないこと、閃きを大事にすることは知っていたようで理解できていなかったのだと思う。こうした考え方は留学の前後で大きく変わったように思う。また、自然科学における語彙力は留学中に向上したのでこれも変化の一つと捉えることができるだろう。
今回の留学で得たことは今後の学習への取り組み方に生かすことができるように思う。今までは授業で分からなかったことは試験前にインターネットで調べたり友達に質問したりしていた。しかし、今回の留学を通して分からないことはできる限り早いうちに無くしておいた方が良いこと、また分からないことを先生に聞くことは何も恥ずかしいことではなく、寧ろこうした積極的な姿勢は大切だと気がついた。そのため、今後の大学生活では疑問はすぐ講師にぶつけていこうと思う。また、専門的なことを英語で学ぶことは今回の留学でかなわなかったため、今後自主的に専門用語を覚える、学術論文を読むなどして自ら進んで専門的な領域を日本語だけでなく英語でも理解できるようにしようと思っている。
本留学を通して理学部の学生としては大切な考え方を知り、積極的な姿勢が身につくのでこの留学はとてもいいものだと思う。留学前にある程度語彙力を高めておけば確実についていけるし、会話にも支障は来さないのではないかと思う。日本にいると経験できない貴重な時間を過ごすことができたため、できるだけ多くの後輩に積極的に参加してほしい。