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平成30年度 奨学金受給者報告書

氏名 中村 百花
学科・専攻、学年 生物学科 国際理学コース1年
留学先(国名) アメリカ合衆国(オレゴン州立大学)
留学期間 平成31年2月21日~平成31年3月21日

留学内容全体について

 英語を学ぶことが好きで洋楽や海外ドラマなどに昔から興味があった私は、いつか実際に海外の文化に触れてみたいという夢を抱いていたが、今回ようやくその念願をかなえることができた。1か月間の留学の主な内容として、平日は午前中に英語の授業を受けて、午後は授業見学や研究室見学、またConversation Circleという、1時間ほど現地の方と会話する時間も設けられていた。放課後や週末は、ディナーパーティやバスケットボール観戦、またキャンパス外に所在する大学の施設の見学など、私たちが留学生活を大いに楽しむことができるようにと、様々なイベントが計画されていた。

 授業見学では、日本とは違う、海外の様々な授業形式を体験することができた。例えば、自宅でビデオ形式の講義を視聴し、授業中に教師のサポートを受けながら演習を進めるという、授業と宿題の従来の役割を反転させたフリップトクラスルームなどがあり、とても興味深かった。また学生は授業中自由に質問を投げかけており、1つ1つの授業がとても内容の濃いものとなっていた。

 またConversation Circleにおいて、1時間ネイティブスピーカーと会話する時間が設けられていたことで、学んだ英語表現のアウトプットに繋がった。

Farewell Partyにて

他国の人たちとの交流を通じてどのような変化がありましたか?

 まず自己の内面の変化として、英語で自分の気持ちや意見を発信することに対する緊張感や不安はほとんど無くなったように感じる。私はもともとシャイで人と話すことが得意ではないので、それが英語の会話になればなおさら難しかったが、限られた時間しかこの場にいることができないという実感が、初対面の人に質問したり先生や友人に話しかけたりする時の勇気に繋がったように思う。

 また、英語に対する意識の変化もあった。英語技能はリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4つに分けられるが、留学前の準備として、私は4つの中でも最も実践的であると考えられるスピーキング能力を重視していた。しかし1か月の留学を通して、リスニング能力こそ最も対策すべき部分であったと痛感した。「英語を学ぶことそのものが目的なのではなく、英語はあくまでツールであり、英語を使って何を伝えたいのかが重要である」という考え方は既に認識していたが、それが逆に、コミュニケーションの本質を見落とすことに繋がってしまっていたと気づくことができた。スピーキング能力を磨くだけなら、自分の意見を伝えるだけなのでまだ簡単だが、相手が言っていることを正確に理解し、それに対して英語で適切な返答をするということは予想以上に難しい。今後はリスニング能力をもっと磨いたうえで、英語のスラングについても知識を深めるなど、英語に対して、学術的な観点からだけでなくコミュニケーションの観点からもアプローチしていきたいと考える。

Pizza Lunchにて

留学によって変化が見られた事項について

 専門分野については、自分の専攻だけでなく、理学の他の分野や、さらに工学などその他の分野にまで自分の興味を広げるということの重要性を改めて実感できた。私は留学期間中に2人の教授を訪ねてお話を伺ったのだが、教授と1対1で、しかも英語で話すことで緊張感を体感でき、度胸がついたし、その研究室訪問がきっかけで新たなトピックに興味を持つこともできた。語学力については、1か月間という短い期間であったので顕著な変化は見られなかったが、帰国後、朝のニュースを見ていた時に、海外の女優さんがインタビューを受けていて、普段であれば日本語字幕に目を向けてしまっていただろうが、その時はなぜか彼女が話す言葉そのものがスムーズに耳に入ってきた。この感覚を忘れないように、今後も英語に触れる機会を自発的に作っていきたいと決心した瞬間であった。

今回の留学がこれからの進路にどのように活かされますか?

 留学前は、漠然と海外の大学院で学ぶことに魅力を感じていたが、留学を通して、いい意味でも悪い意味でも現実を突きつけられたと言える。授業見学において、先生が現地の生徒に向けて話す英語を聞き取ることはとても難しく、話すスピードが速いだけでなく専門用語もたくさん使われていて、今の自分の努力程度では海外で学ぶことのできるような英語力をつけることは不可能だと知ることができた。また現地の学生の意識は自分とは比べ物にならないくらい高くて、改めて自分の実力不足を痛感した。それと同時に、もし海外で学ぶこととなった場合、今後どういった努力をすべきなのか、具体的な方針を立てることが可能になったと思う。留学に対する漠然とした自分の考えが明確になったことで、進路についてより具体的に考えることができるようになった。

英語クラスにて

後輩に向けて留学して良かった事、準備しておけば良かった事等について

 留学して良かったことはたくさん挙げられるが、最も良かったこととしては、日本を客観的な視点から見ることができたということだと思う。最近、日本文化や日本人の人柄を過度に美化して伝える番組やニュースがよく見られるが、思いがけないことに、現地の人の方が日本人より相手を思いやる気持ちが強いと感じる場面がいくつかあった。実際に日本を出ないと知り得ないような現地の人の人柄や文化、また自分が知らず知らずのうちに抱いていた偏見に気づく機会がたくさんあり、留学して本当に良かったと感じることができた。

 準備しておくべき点として、映画を英語音声、英語字幕で見ることによって、少しでもネイティブスピーカーの話すスピードに慣れておくと良いと思う。また、留学先の大学の研究室の情報を調べておくことも重要である。加えて、理学部のプログラムにおいては、現地で話を聞く際に専門用語が用いられる機会も頻繁にあると思うので、日頃授業で使っている専門用語を英語でどのように言うのか、常に気にしてノートにまとめておくことも有益である。さらに、英会話の練習をしようと友人に話しかけても、話題がなくなってしまうことはしばしばあるので、日本やその国の文化についてなど、いくつか会話が弾むようなトピックを考えておくのもいいと思う。