HOME > 国際交流・留学 > 九大生向け情報 > 理学部留学支援奨学金制度 > 平成30年度 奨学金受給者報告書
氏名 | Mさん |
---|---|
学科・専攻、学年 | 生物学科 1年 |
留学先(国名) | アメリカ合衆国(オレゴン州立大学) |
留学期間 | 平成31年2月21日~平成31年3月21日 |
留学をするのは初めてであり、途中で辛くならないか心配であったが、アメリカに行っても本当に英語だけ、英語を聞き取れないとまともに生きていけない、ということはなく(それを求める人もいるかもしれないが)、九大生と最低限話せるのは精神的に良かった。英語を堪能したい人は英語で過ごすことも可能であるし、厳しい人には救済策でもあるのでレベルに応じて、といったところであろうか。
基本的には平日の午前は英語でのリスニングやスピーキングの授業、昼食後はTAの人とお話ししたり、大学内のツアーをしたりなどなどである。基本的に夜は空いているので、現地の友達の部屋に行って会話をし、オレゴン州立大学の学生なら無料で使えるジムでテニスやバドミントンやボルダリング等様々な運動をして過ごすことができた。プールも無料だった。水着をもっていっていたので運動面でとても充実していた。
休日は基本参加のイベントが週1のペースであった。近くのアウトレット専門店街で買い物をしたり、都会に行っていろいろなものを見たり、レクレーションをしたり、様々な活動があり、とても楽しかった。
オレゴン州はハイキングで有名、というよりは山、海、滝、森、砂漠、すべての自然がそろっている場所なので、アウトドアで有名であったので、自分(と九大の友達)は近くの山に登った。オレゴンの気候は緯度的には北海道と同じであるが、雪は少なくいつも湿度が高いので、過ごしやすいと言えば過ごしやすかった。山登りの日は快晴であったため、むしろ少し暑かったぐらいであった。
大学の講義についてなのだが、日本よりもとても設備が豪華であり、かつ、スマホを用いた授業が平然と行われていた。各教室にプロジェクターと書画カメラとデスクトップパソコンが常駐されている(そしてそれを教員が使いこなせている)のは、技術を積極的に取り入れている一面を見せつけられているようであった。アメリカの授業が気になる人は是非とも行ってみてほしい。
総合してだが、実りがとてもある留学となった。1か月間四六時中英語に触れ続けるのは日本では難しいことだと思うので、一度体験してみてほしいなと思う。また機会を作って留学をしてみたいと感じる。
アメリカの現地の人と話すこともあったが、やはりアジア系の人としゃべることの方が多かった。というか、話しかけやすかった。国単位でみるとあまりいいイメージをわかないこともあるが、人一人単位だとそのイメージが反映されることはなく、ただ、そこにいる人間として話すことができた。いい人が多かった。
話したトピックとしては、銃社会についてだったりアニメについてだったり、話し言葉、一人称の言語的な違いだったり、自分が気になるトピックをたくさん投げかけてみた。文化の違いがよくわかり、SNSではなかなかできない話にも踏み込める仲になれたので、実際に会って話すことも大事だと思えた。
そして、日本人に共通する価値観というか文化的なものも少し見えたような気がした。これも外側から日本を見ている人と話さないとあまり気づかなかったことだと思う。いい経験になった。
語学について、だが、純粋にリスニングの力は上がったように思う。日本で聞くリスニングの音声はとてもゆっくりで、何度も聞けるがやはり現地はそんなことはなく、無限に早口(実際はそうでもないと思うけど)で話しかけてきて、まったく意味わからんって顔してても気づかれずにどんどん話が進むことが多々あった。わからないって言ったらちゃんと言い換えてくれるなどかみ砕こうとしてくれたが・・・。かみ砕く限界までいってそれでも単語やイディオム的に意味が分からなかったら地獄である。その部分はスキップして次の話に行くことも何度かあった。
話すことで成長したと思えるのは、考えずに英語が出てくるようになったこと。瞬間英作文とでもいえばわかりやすいのだろうか。話してるということはリアルタイムで相手が待っている。わからない表現があったらなるべく置き換えてとにかく話をつなげるためにどうにかしなければならない。その強制的に英文を作り出す練習ができたように感じる。将来的にプレゼンの質疑応答ですることになるであろうから、練習できてよかった。
海外の大学院を漠然と考えていたが、少し具体的に考えれるようになった。海外に行くにしてもどんなスキルがないといけないのか、どれくらいの英語力が必要なのか、そもそも生きていけるのか等々。
交換留学も視野に入れつつ、英語のスキルはしっかりと磨いておかないと将来大変だという確信はもつことができた。
留学するといろいろな知見が得られる。それは、友達からの話で聞けることもあるし、インターネットで疑似的に経験できるかもしれない。しかし、自分が海外に行ってみないとわからないことは大いにある。
個人的に感じたのは、海外は映画の中で見ていただけの不思議なところだったのが、すごく物質間をもって感じられるようになったということだ。簡潔に言えば、今まで行ったことのなかったディズニーランドに念願叶って行ったら、確かに夢の国ではあるが、あくまでも現実の延長だったというようなあの感覚である。(わからない人はスルーしてほしい)
自分でその地に立たないとわからないことはたくさんある。だから、是非大人になる前に、比較的余裕がある時期に一度アメリカに行ってみてほしいと思う。