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肥山教授が平成 31 年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「科学技術賞 (研究部門)」を受賞しました。

  • 2019年5月7日(火)

 大学院理学研究院 物理学部門の肥山詠美子教授が、平成 31 年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「科学技術賞 (研究部門)」を受賞しました。

 日本における科学技術の発展等に寄与する可能性の高い独創的な研究又は開発を行った研究者が対象となる賞です。

受賞者

肥山 詠美子 (大学院理学研究院 物理学部門 教授)

研究テーマ

量子少数多体系の厳密計算理論の確立とその応用研究

研究概要

 量子物理学の重要課題の一つは、「集団と個人」の関係に例えられるが、多数の構成粒子とその間の相互作用から出発して、集団 (原子核などの少数多体系) 全体の性格・行動を解明することである。多彩な構成粒子、多様な相互作用にも適した計算理論の構築が不可欠である。本研究は、量子少数多体系のシュレーディンガー方程式を厳密に解く「無限小変位ガウス・ローブ基底関数展開法」を提唱・発展させ、「異なる構成粒子、多様な相互作用を持つ量子少数系の 3 体 〜 5 体問題」の解法を確立し、多分野における研究可能対象を一気に拡大した。本研究により、原子核物理、ハドロン物理、原子・分子物理、宇宙核物理、冷却原子物理など多分野への応用が可能となり、多大な業績が得られた。特に、本研究が、数々の未発見のハイパー核・エネルギー準位を予言し、的中させ、実験をガイドして来たことは注目される。本成果は、世界的に高い評価を受け、既に 80 回余の国際会議招待講演、6 編の招待レビュー論文の執筆が行われている。また、本計算理論を媒介とした共同研究は世界 12 か国に及び、海外から本理論の習得を目指す大学院生も多く、今後とも国際交流に寄与することが期待される。

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