| 氏名 | Cさん |
|---|---|
| 学科・専攻、学年 | 生物学科 3年 |
| 留学先(国名) | シンガポール国立大学(シンガポール) |
| 留学期間 | 令和7年8月3日〜令和7年12月19日 |
大学間交換留学プログラムにより、シンガポール国立大学(NUS)に一学期間留学していた。交換留学とは、学生交流協定校に1学期から1年間留学するプログラムで、九大の授業料を収めることで、海外の協定校で学ぶことができる。取得した単位は、九大の単位として認定してもらうことも可能である。NUSでは、現地の正規学生と同様に扱われ、同じ講義や試験を受けて単位取得を目指した。私はFaculty of ScienceのDepartment of Biological Sciencesの提供科目から、数理生物学に関する科目を中心に3科目を履修した。1つ目の科目では、数理生物学の基本的な概念と数理的な解析手法、およびRによる数値的な解析手法を生態学の現象を通して体系的に説明するものであった。2つ目は、個体レベル以下の現象(個体や器官の発生)におけるパターン形成を、数理生物学やシステム生物学、物理生物学的な観点から、できる限り簡単な数学で(やや直感的に)理解することを目指すものであった。3つ目は、生命科学の問題をコンピュータを用いて解決するための考え方を、Rによる基礎的なプログラミングを通して学んだ。毎日、授業終了後は図書館などの学習スペースに向かい、授業の予習・復習、課題に力を入れた。

シンガポールの学生と交流する中で、日本での当たり前は海外での当たり前ではない、ということを痛感した。就職や仕事、学業に対する考え方、礼儀・作法など、様々な話題について会話をしたが、どの話でも違いを感じることが多かった。例えば、シンガポールでは日本に比べて、就活ではスキルや実績が重視され通年採用であり、だからこそ、NUSの学生は学業やインターンシップに熱心なのだと感じた。こうした会話を通じて、シンガポールの良さだけでなく、日本の素晴らしさも改めて実感した。日本の商品やサービスの丁寧さ・利便性は世界的に見ても当たり前ではない。こうした日本の良さが維持される社会を作っていきたいと感じた。
また、シンガポールでは複数の言語が話されているためか、シンガポール人は英語が流暢ではないことに対して寛容であるような気がした。加えて、外交的で興味関心の強い人が多く、言語の壁を感じながらも留学前に比べて気軽に話しかけたり、イベントに参加してみたりできるようになった。
日常生活や休日の外出を通じて、至る所で中華系、マレー系、インド系それぞれの文化や雰囲気の違いに触れた。その結果、多様な文化への理解が深まり、異なる文化や慣習に対してより寛容になることができた。
NUSでは、数理生物学とそれに関連のある分野の科目を全部で3つ履修した。1つ目の科目では、数理生物学の基本的な概念と数理的な解析手法、およびRによる数値的な解析手法を生態学の現象を通して体系的に説明するものであった。2つ目は、個体レベル以下の現象(個体や器官の発生)におけるパターン形成を、数理生物学やシステム生物学、物理生物学的な観点から、できる限り簡単な数学で(やや直感的に)理解することを目指すものであった。3つ目は、生命科学の問題をコンピュータを用いて解決するための考え方を、Rによる基礎的なプログラミングを通して学んだ。これら3科目を通して、数理生物学への理解が深まり、見方が広がった。中でも1つ目と2つ目では、扱う対象のスケールが異なる生命現象を、同じ数理生物学の視点で学べたことが大きい。その結果、数理生物学の汎用性と可能性を実感し、関心が一段と高まった。また、1つ目と3つ目の科目により、生命現象の数理的理解に必要な理論的知識と実践スキルの基礎を両輪で高めることができた。

今回の留学を通して、海外大学院への進学や海外でのキャリアも現実的な選択肢として検討するようになった。一方で、海外に進学・就職することによる、日本での人間関係の維持や費用面など、現実的な課題も実感した。これらを踏まえて、より真剣に自分の進路について考える良い機会となった。

NUSに留学したことで、日本では出会えなかった人々に出会い、出来なかった経験をすることができた。特に、授業の度に一緒に昼食を食べる友人ができ、休日には干潟を散策したりやご馳走を食べたりするくらいに仲を深めることができた。その友人にシンガポールについていろいろ教えてもらい、異なる国の政治や文化について理解を深めることができた。また、大学での授業と日常生活を全て英語で行うので、英語を英語のまま理解し、英語で考える習慣がつき、英語力の向上を感じた。日常の検索等も英語で行う癖ができ、普段から英語に触れることを当たり前にすることができた。全てを英語でこなした経験や、1人で見ず知らずの土地を訪れて散策した経験から、計画力や決断力、そして何よりなんでもなんとか出来るという自信をつけることができたことが、留学して一番良かったと思えることである。

やはり、語学力の準備をもっと前もってしておくべきだと思った。直前に留学を決意して準備を始めため、留学開始までに十分に英語力を高めることができなかったと思う。特に力を入れておくべきだったと思うのはリスニングである。リーディング・ライティングは自分のペースで行うことができるし、基本的には1人の時に行うことが多い。また、スピーキングについては、文法や語彙が正確ではなくても、既存知識でなんとか伝えることは可能である。しかし、リスニングに関しては、自分から頑張って話しかけても、返答が聞き取れないとそこで会話が終わってしまう。また、リスニング力が低いことで、生活の中での理解して聞き取れる英語のinput量が少なくなってしまい、結果として英語力の伸びを抑えてしまったと感じている。
1人で遠く離れた、言語も異なる国に留学することは、とても不安に感じると思う。しかし、その分大きく成長するチャンスであると思う。きっとなんとかなる、そう信じてまずは新しい環境に飛び込んでみてほしい。また、留学に興味がある人は、少しでも早く準備を開始してほしい。準備した分だけ実りのある留学生活が送れると思う。最後に、大学間交換留学では、受給できる奨学金制度が豊富にあり、案外費用を抑えることができます。費用面の心配もあるかと思いますが、まずはいろいろ調べてみることからはじめてほしいです。
