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令和3年度 奨学金受給者報告書

氏名 Dさん
学科・専攻、学年 地球惑星科学科 1年
留学先(国名) ポートランド州立大学(アメリカ合衆国)
留学期間 令和4年2月14日 ~ 令和4年3月4日

オンライン留学プログラムをしようと思った理由やこの留学先を選んだ理由

  来年の国際理学コースの英語講義や、英語の授業に耐えうる実力をつけるため、英語漬けできる環境にいたかったことから応募しようと思いました。また将来的な留学のための一歩を踏み出すためにONLINEなら比較的気軽に受けられるので参加しました。
 PSUは九州大学理学部の事務室に推薦していただきました。面識はないとはいえ、同じ九大理学部の先輩も同じ講義を取ると知ってこのコースにしました。

オンライン留学プログラムのためにした準備、またしておけば良かったと思う準備

 「九大英単」を用いて単語の学習をしました。特にⅢ章を覚えておくと役に立つと思います。またアメリカ合衆国の文化や入植の歴史、最近の事情を知っていると授業が面白くなる上、質問や発表もし易くなると思います。

オンライン留学プログラムの概要(学習内容、勉強、課題、試験など)

 授業は月曜日から金曜日まで、朝9:00から午後1:30までの3週間です。学習内容は、発音・強勢・有気音、無気音と、破裂音など単語レベルから、文章の中でどこを強く発音するのか、文章末の声調の上げ下げといった実際の文レベルでの読み方を習いました。特に3週間の内、1・2週間目はこの発音練習に重きが置かれていました。特にrとl、bとvの違いといった日本人にとって難しいところを重点的に練習しました。またwannaやgannaといった現地特有の省略表現も習いました。
 さらに会話における受け答えの基本的なスタイルや、文化の違いによる会話形式の差などを考慮してのコミュニケーション方法を教えていただきました。

 また、授業ではオレゴン州や同州最大の町、ポートランドについて、名前の由来・歴史・自然・経済、企業・食文化・年間イベント・民主党と共和党支持者の数や分布といった政治まで多岐にわたって題材が用意されておりそれについて学び、意見交換しました。その他にも一般教書演説の日にはその紹介もあったりバレンタインデーにまつわることだったりといろいろありました。また賛成・反対の意見が分かれる問題について自分の考えと理由を発表する時間が多々ありました。

授業内容は、朝9:00に始まって

  1. 講義2時間(先生がZoomで教材を共有しながら、上記内容を教えてくれます。日本の学校と違って積極的に発言や、音読することを求められるので、それほど堅苦しいものではないですが大変でした。ちなみに先生はブラジル出身で母国語がポルトガル語なので英語は先生にとって第二外国語だそうです。本当は建築学の教授なのですが、英語も教えていて、この英語コースを何回も担当されていたので慣れておられました。大変親しみやすい方です。)

30分休憩後の

  1. Group Discussion Session1時間(学生同士のみでの英会話練習時間です。初回の授業こそメンバーが指定されていますが、その後は自分でZoomのブレイクアウトルームを自由に選択して入る形です。ブレイクアウトルームの数は日によって違うので、3人以上の場合と2人の場合がありました。講義の時間に与えられた課題について議論したり、発音の練習をしたり相互で確認し合ったりしました。特に何もないときはフリートークの時間になっていました。この時間で学生がお互いのことを知ることができました。和気あいあいと楽しく英会話をするといった雰囲気でした。)
  2. Conversation Partner Session 1時間(13人が3グループに分かれて、各グループ1人のTAとともに会話します。予定表があるので自分でTAの名前を見て事前に予約します。結構多くの方がTAとして参加していたので、3週間で最高でも2回ほどしか同じTAに当たらなかったのでいろいろな国の文化が知れてよかったです。TAの方が用意したゲームをしたり、質問に答えたりするほか、学生もTAに質問できるのでいい機会でした。)

 課題はあまりなかったのですが、Flipgridというアプリで動画を作って提出する課題が4回程ありました。またGroup Discussionでペアと文章を作って翌日発表するという課題もありました。Conversation Partnerで話した内容は翌日よく質問されたので答えられるようにしていました。またConversation Partner終了後、これに関する出席カードをGoogleフォームで毎日提出する必要があります。

 試験はなく最終課題として「自分の出身地を紹介する」という発表をしなくてはいけません。第3週の中ごろから授業では、発表の仕方やパワーポイント作成方法といったものが中心になっていきました。最終発表は成績の30パーセントを占めるので緊張しました。ちなみに成績は講義への出席が40パーセントでConversation Partnerが30パーセントです。持ち時間は一人2~3分です。数人で作業しても問題ないですが今回は皆が一人で作業していました。他の発表者の話を聞き、質問することも成績に含まれます。

授業以外の活動や他国・他大学の学生との交流

 受講生は日本人だけの13人で、男子3人・女子10人でした。大学生の内訳は、九州大学理学部から3名、北海道大学から2名、北九州市立大学から6人、明星大学と奈良県立大学から各1名となっていて、北九州市立大学からの学生がとても多かったのですが、以前から面識のある人は少なかったようです。理科系が九大と北大で、その他全員が文科系でした。基本的に授業内容と専攻に関係性はないので大丈夫です。様々な知識を持つ学生が集まってきていて面白かったです。Group Discussionの時間で他の学生と交流でき、情報交換できました。またPartner Sessionで外国人TAに質問できるのでそこでいろいろなお話を伺うことができました。

オンライン留学プログラムによる変化(理学専門分野におけるアプローチ・思考方法・語学力等)

 英語を聞く力と話す能力は上昇したと思います。また発音も以前よりきれいにできるようになりました。
 また積極的に自分の意見を言うことが以前にも増してできるようになったと感じています。初めて会う学生とも幅広く交流する能力も身につきました。

今後の進路に対する考え方に与えた影響や活かし方

 他の学生の意見や先生の話を拝聴し、大学での学習意欲向上に役立ちました。また将来的にも英語を用いていこうと思いました。

困ったこと・大変だったこと

 入金の仕方が一番戸惑いました。コースの申し込み含めてかなりの入力作業があるので、パソコン音痴の私にとって、とても大変でした。理学部事務の助けをお借りして何とか出来ました。分からないことがあったら何でも質問するのが一番だと思います。
 また、毎日4時間3週間の授業だったので、毎日出席するのが大変でした。もちろん私は皆勤で、他の学生も誰一人ドロップアウトすることなく最後まで出席していました。朝9:00スタートなので(向こうは午後4:00から8:00まで)、それに間に合うように起床しないといけません。
 最初の授業はコースの説明だったのですが、何を言っているのか完全には分からなかったので苦労しました。本コースに参加している本学の先輩に、教えていただきました。

今後プログラム受講を考えている学生に向けてのメッセージアドバイス

 講義内容は、先述の通り発音が中心になっています。私のように今まで発音について習ったことが少ない方は大変役に立つものになるはずです!
 授業では積極性がかなり求められます。2時間の講義時間で発表する機会は沢山ありますが指名されることがほとんどないので自発的に答えるしかありません。遠隔授業の不便なところで複数人が同時に答えてしまうといったことも多々ありましたが、積極的に答えていくことが最も大切なことだと思います。Partner Discussion やGroup Discussionでは最初のうちは全く知らない人とも話していくことになりますがそういった場面でも積極性を持って取り組むといいかと思います。また政治の話でも白黒はっきり主張するのがアメリカ流みたいで、何かにつけて自分の意見を求められるのでしっかりYES/NOを発言したほうがいいと思います。

準備段階やプログラム期間中に役に立ったウェブサイト、出版物(英語学習教材含む)

 九州大学でいうところのMoodleのようなサイトがあり、そこからZoomのリンクや教材がおいてあります。先生がその日の授業で使ったものだけでなく関連する資料・教材を置いて行ってくれるので、授業内容を理解・復習するためによく利用していました。
 また朝早めに起きると、今からやる分が閲覧できるので予習にも使えると思います。