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令和3年度 奨学金受給者報告書

氏名 Aさん
学科・専攻、学年 生物学科 2年
留学先(国名) ポートランド州立大学(アメリカ合衆国)
留学期間 令和3年8月16日 ~ 令和3年9月3日

オンライン留学内容全体について

 まずは私の受講したオンライン留学の1日を紹介したいと思います。

9時〜 オンライン授業開始。最初はウォーミングアップとして、授業の前半ではそれぞれの生徒の出身、趣味などを全体グループ、ブレイクアウトルーム(3〜4人ほどの少数グループ)に分かれて話します。授業が進んでいくと徐々に環境問題についてそれぞれの思うことをブレイクアウトルームで話し、全体グループで発表するといった活動をします。
11時〜11時30分 休憩
11時30分〜 グループ活動をします。授業の前半では、授業後半でのウォーミングアップと同じことをして、後半では最後の授業で行うプレゼンの準備(テーマ決め、インタビューする人への調査、質問の精査、パワポ制作など)をします。
12時30分〜 現地のネイティブの先生(日本でいうTA)と会話をします。授業のわからないところを教えてくれたり、発音の矯正、ポートランドや日本の紹介をお互いにしたりとする内容は先生によってさまざまです。
13時30分 終了

 授業終了後は30分程度で終わる課題が課されます。

 次に私が受講したコース「Remote English through Sustainability」について紹介しようと思います。このコースは主に環境問題、その解決方法をSDGsを軸にして考えるというのが大きな目標の一つになっています。ではSDGsの知識が必要なのかというと全くそうではなく、授業ではたくさんの達成目標の中から1つに絞って授業をします。(私の場合はSDGsの11番目の達成目標である持続可能な都市開発でした)授業の中でSDGsの内容についてはたくさん事例を踏まえて説明してくれますし、もし不安なのであればインターネットを使えば日版・英版のSDGsについての情報を入手できます。内容についても、10分もあれば英語で理解できるとても簡潔なものです。

 最後に私のオンライン留学を終えての感想を簡潔に述べると、3週間はとても有意義なものであり、自分の英語スキルは格段に上がったように思えます。もしオンライン留学を行うことを自らの英語力への不安、もろもろの手続きや費用面の不安でためらっているのであれば、ぜひ周りを頼ってでもオンライン留学をしてほしいと強く思います。

他国の人たちとの交流を通じてどのような変化がありましたか?

 大きく感じたのは他国の人との考え方の違いを大きく感じました。日本では授業中に何か意見を述べるとき先生が生徒をランダムで当てるという形式を取りますが、アメリカでは生徒自らが手を挙げて自分の意見を積極的に述べるという形式を取ります。当然オンラインとはいえアメリカ人の先生に教えてもらうのですから、授業のスタイルはアメリカに合わせたものとなります。

 自分から積極的に発表していくスタイルは小学校低学年以来で最初は戸惑いましたが、同時に懐かしさと、自分の意見を積極的に述べる授業をしていかなくてはならないと強く感じさせられました。

オンライン留学によって変化が見られた事項(理学専門分野におけるアプローチや思考方法、語学力等)について

 大きく変わったのは、物事を単純化して思考し相手に伝えられるようになったことと、順序立てて論理的に考えられるようになったことです。

 私のクラスではクラスメートは大半が日本人だったのですが、授業中は先生とはもちろん、クラスメートとも全て英語で会話します。相手の話を聞いて瞬時に英語を話さなければいけません。これは初めはとても難しいことで、英作文を思考時間なしで永遠に解き続けている感覚です。ですので相手に伝える前に自分の中で最も伝えたいことは何かを整理して、思考を整理しなければいけません。これは別に英語に限らず今後の私の研究にも活かされるはずです。「様々な情報をもとに自分が今伝えたいことは何かを単純化して、そこに辿り着くまでの思考も単純化する。」これは含みを持たせたり、遠回しに述べたりすることが多い日本語ではなかなか気づけないことだと思います。

今回のオンライン留学がこれからの進路にどのように活かされますか?

 今回のオンライン留学で得た大きな収穫の一つは、自分の戦える武器が一つ増えた点にあると思います。

 日本での英語教育が進んでいるとはいえ、英語をある程度不自由なく話せる日本人は少ないと思いますし、外国語学部が存在しない理系なら尚更です。しかし卒業研究やその後の大学院生活において外国の研究生と英語を使って話すことは当然のこと、英語の論文を多数読むことになることを鑑みると、英語を使えるということは大きなアドバンテージにつながると私は考えています。院に進まずそのまま就職することになったとしても、日本企業に勤めるなら英語を話せることは当然のアピールポイントになりますし、英語を話せるならば海外の企業に勤めても大方問題はないわけですから選択肢は大きく増えることになります。以上を踏まえて英語を話せるという武器は今後の大学生活のみならず、将来に使える非常に強力な武器であると思います。

後輩に向けてオンライン留学して良かった事、準備しておけば良かった事、アドバイス等について

 私がオンライン留学前に不安に思っていたこと、疑問点をQ&A形式で述べていきたいと思います。

Q1
留学にかかる費用が心配
A1
実際に現地に行くわけではないため、飛行機代、ビザ取得費用、現地滞在費用を大きく抑えられます。私の場合奨学金を利用したので、実質インターネット環境を整える出費のみでした。
Q2
英語が話せないので授業についていけるかが心配
A2
語学の初心者は全員そうです。朝起きたら急に英語が話せるなんてことはありませんし、それは周りの生徒も同じです。オンライン留学なのですから周りの目もないですし、留学が終わったら他の生徒とも会うこともほぼないので他のクラスメートを気にせず大いに失敗して、恥をかいて学びましょう。恥じることを恐れてはいけません。
Q3
それでも英語の授業にいきなり入るのは抵抗がある
A3
九州大学には無料で英会話の練習するプログラムがいくつかあります。私はSALC(基幹教育の一組織)を4ヶ月ほど利用していました。希望を出せば1対1を申し込めるため、こちらも周りの目を気にせずガンガン失敗して訓練できます。
Q4
手続きがめんどくさそう
A4
確かに手続き系は全て英語であるため、ハードルは高く感じるかもしれません。しかしそれをサポートしてくれるのが理学部等事務部総務課企画・国際係です。頼ってください。
Q5
専門的な知識がないため不安
A5
全くいりません。我々が小学生に難しい言葉を使わないのと同じで、ネイティブの方々も私たちには難しい言葉は滅多に使いませんし、使っても説明を入れてくれます。