HOME > 国際交流・留学 > 九大生向け情報 > 留学体験談 > 令和2年度 奨学金受給者報告書

令和2年度 奨学金受給者報告書

氏名 Aさん
学科・専攻、学年 数学科 4年
留学先(国名) ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)
留学期間 令和2年11月30日 ~ 令和3年3月18日

オンライン留学内容全体について

コースの内容について

 カナダのバンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学のGCE(Global Citizenship through English)というプログラムに参加した。オンラインと対面に二種類のコースが提供されいたが、オンラインで受講した。1週間ごとにテーマが設定され、それについて英語で議論したりUBCの学生の話を聞いたりした。私は合計11週間参加し、多文化コミュニケーション、食糧政策、メディアと技術、人生、カナダの文化と人々、環境問題、仕事とキャリア、人権、コミュニティの中での生活、スポーツ、消費者と広告、世界市民について学んだ。11/30-12/18、1/25-2/22、2/25-3/18の三つの期間の研修に参加した。

 初めの二つの期間は、4人生徒と一人のインストラクターからなるグループに所属した。生徒の国籍は日本・韓国・サウジアラビアだった。最後の一つの期間は、14名の生徒と一人のインストラクターからなるグループに所属した。日本の大学の春休みと重なる時期だったため、生徒は全員日本人だった。クラスの人数は多かったが、zoomのブレイクアウトルームを活用するなどして、議論の時間を多く確保する工夫があった。

 授業中は、テーマに関する記事を読んだり動画を見たりして導入が行われた後、用意された質問について少人数で議論した。テーマの内容の他に、一日に一つ日常生活に関するお題が出されてそれについて話すこともあった。週に一回か二回、ゲストスピーカーを招き、インタビューを行った。ゲストスピーカーは UBCの学生やスタッフだった。授業中はスピーキングが中心だったが、課題はライティングが中心だった。

授業以外について

 授業以外にも、CA(Cultural assistant)(インストラクターの補助をするUBCの学生)と交流する機会(CA Chat)があった。日常会話をしたり、特定の話題について話したりした。CA Chat以外にも、Match CAというプログラムが用意されていた。UBCの学生と一対一のペアになり、週に一回一時間程度のオンラインミーティングをするというものだ。内容はなんでもよかったので、私は、日常会話とIELTS Speakingの練習をした。

 また、授業の後に週二回・各回30分のオフィスアワーが設けられており、そこで授業で理解できなかったことや宿題に関する質問をすることができた。また、個人的に会話練習やエッセイの添削をお願いすることもできた。私はIELTSの受験を控えていたので、Writingの添削をお願いしていた。

他国の人たちとの交流を通じてどのような変化がありましたか?

 カナダの文化や観光地について紹介されることが多く、以前よりも親しむことができた。韓国の学生と話すときは、文化や教育制度・雇用制度が似ていることもあり、同じ点や異なる点の情報交換ができた。日本の学生は関東圏に住んでいる人が多く、彼らは全体として九州大学の学生よりも社会問題に興味がありリベラルな考えを持っていると感じた。

オンライン留学によって変化が見られた事項(理学専門分野におけるアプローチや思考方法、語学力等)について

 語学力については、全体としてリスニング力が向上した。(IELTS 5→6)また、1週間ごとに異なる話題に触れるため、分野別の語彙が身についた。私の場合、話す際は書く際より文法のミスが多く、使える文法や語彙が限られていた。しかしインストラクターに文法の間違いを指摘してもらうことでミスが減った。言いたいことを表現するために文法や語彙の幅を広げることができた。

今回のオンライン留学がこれからの進路にどのように活かされますか?

 UBCのCAは、カナダ人や英語ネイティブだけでなく、カナダ外出身の留学生や非ネイティブもいた。例えば私のMatch CAでのペアはバングラデシュ出身の留学生だった。留学や海外での就職に関して、気楽に話すことができ、良い刺激になった。かねてより留学を計画していたが、その決心がいっそう強くなった。

後輩に向けてオンライン留学して良かった事、準備しておけば良かった事、アドバイス等について

 語学研修に参加することは、語学学習に有効だと思う。これまで学んできた語彙や文法をアウトプットする良い機会になるためである。私は、この語学研修中、授業外の時間に単語学習や課題のエッセイ、IELTSの対策に取り組み、授業中はアウトプットに専念するという勉強のサイクルを作ることができた。

 また、インストラクターやCAはこちらが働きかければなんでも手厚くサポートしてくれる。個人的にエッセイの添削や会話練習をお願いしていた生徒は14人のクラスの中で私だけだったが、良い環境にあってその資源を活用しないのはもったいないと思う。また、クラスは事前のテストで適切なレベルに振り分けられ、同じような会話レベルの人と話すことになるので、「上手に話せなくて恥ずかしい」と感じることはほとんどない。せっかくオンラインの留学のための奨学金が用意されているので、迷っているなら挑戦してみると良いと思う。

 UBCのプログラムは自力で見つけたが、他のプログラム(アメリカやオーストラリア)と比べて安価だった。UBCでは他に、English for Academic Purposesというプログラムも提供されていて、こちらは課題が多く力をつけたい人におすすめらしい。