システム生命科学府令和7年3月一貫性博士課程修了の上野佳凜さんが、「日本生化学会2026年度JB論文賞」を受賞しました。上野さんは論文 "Replication across O6-methylguanine activates futile cycling of DNA mismatch repair attempts assisted by the chromatin-remodelling enzyme Smarcad1" (J. Biochem. 2025;177(4):247-258 doi.org/10.1093/jb/mvaf007) の筆頭著者であり、共著者は同じく染色体機能学研究室の、システム生命科学府博士課程4年坂本怜飛さん、システム生命科学府博士課程5年金津瑛一郎さん、河添好孝助教、高橋達郎教授です。
この賞は、The Journal of Biochemistry 2025年1月号~2025年12月 (Vol.177-No.1~Vol.178-No.6) に掲載された優れた論文の著者を顕彰するためのものです。授賞式は横浜で開催予定の「第99 回日本生化学会大会(BMB2026)」にて執り行われる予定です。
今回の受賞は、上野佳凜さんの研究内容と発表技術が高く評価されたことを示すものであり、今後の研究活動のさらなる発展が期待されます。
上野 佳凜 (システム生命科学府 令和7年3月一貫性博士課程修了)
ツメガエル卵抽出液を用いたO6-メチルグアニン応答反応の解析が 明らかにする真核生物DNAミスマッチ修復の鎖削り込みの メカニズムとその制御
抗がん剤等に用いられる塩基アルキル化剤は、O6メチルグアニン損傷を介してDNAミスマッチ修復を活性化しDNA損傷を引き起こす。本研究では、O6メチルグアニン損傷がどのようにしてミスマッチ修復を活性化するかを解析した。O6メチルグアニンを含むDNAを複製させると、O6メチルグアニンを含む新生鎖に断点が継続的に生じた。この断点はミスマッチ修復に依存しており、またクロマチンリモデリング因子Smarcad1は断点の維持に寄与していた。これらの結果は、O6メチルグアニンのDNA複製によって異常なミスマッチ修復が活性化されること、この活性化にSmarcad1が働くことを示す。