理学府化学専攻修士課程1年の八木俊輔さんが2026年9月にくにびきメッセ (松江)で行われた第20回分子科学討論会において、「分子科学会優秀講演賞」を受賞しました。
この賞は、分子科学討論会における口頭発表の中から、特に優れた研究発表を行った若手研究者に対して贈られるもので、分子科学会の選考委員による厳正な審査を経て選出されます。授賞対象は、発表時点で学生であるか、または33歳未満の分子科学会会員であり、筆頭著者として口頭発表を行った者に限られ、毎年最大10人が選ばれます。
今回の受賞は、八木俊輔さんの研究内容と発表技術が高く評価されたことを示すものであり、今後の研究活動への大きな励みとなることが期待されます。
八木 俊輔 (化学専攻 修士課程1年)
金量子ニードルを用いた長時間近赤外単一粒子追跡の開発
単粒子追跡(SPT)は,個々の粒子を経時的に追跡し,生細胞内における分子挙動を解析する手法である。近年では,数時間の追跡も可能となり,細胞周期や概日時計のような低速な生命現象への応用が期待される。その一方,従来の化学プローブは光褪色と可視光励起による光毒性により,長時間観察が制約される。
我々は光安定性と近赤外光学特性を有する金量子ニードル(AuQN)を用いて,長時間近赤外SPTを開発した。生細胞に導入した粒子を12時間連続追跡した。さらに,粒子軌跡解析から,細胞内粒子輸送の長時間にわたる時間変化を捉えた。これよりAuQNの長時間近赤外SPTへの有用性を示した。