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楠亀准教授が自然法則に現れる「自由に選べる数」の由来に迫りました。

  • 2026年6月17日(水)

ポイント

  • 自然現象を記述する理論には、値を変えても同じ性質を保つ「自由に調整できる“つまみ”」のような数が現れることがあります。その起源を特定することは、量子重力の理解にも関わる重要な問題でした。
  • 研究グループは、この“つまみ”の値が少しだけ異なる2つの理論をつなぐ「界面」に注目しました。この界面を少し動かしたときの応答から、“つまみ”を操作する役割をもつ演算子を構成し、「自由に選べる数」の起源を特定しました。
  • 本成果は、「量子重力には外から自由に選べる連続パラメータが存在しない」という考え方を支え、アインシュタイン以来の根本的な問いの理解につながる重要な手がかりになると期待されます。

概要

 自然界を記述する理論には、拡大・縮小しても同じ性質が保たれるものがあり、これを「共形場理論」と呼びます。さらに、一部の共形場理論では、ある種のパラメータを調整することで、共形対称性を保ったまま理論を少しずつ変化させることができます。このとき、理論を連続的に変えるパラメータはどこからやって来るのか、という根本的な問いが生じます。

 本研究では、連続パラメータを動かす役割を担う局所演算子を理論の中で構成することで、連続パラメータの起源を明らかにしました。

 九州大学高等研究院(大学院理学府 物理学専攻併任)の楠亀裕哉准教授(理化学研究所(理研)数理創造研究センター客員研究員を兼務)、欧州原子核研究機構(CERN)の小松尚太助教、トリノ大学のMarco Meineri 助教、カリフォルニア工科大学の大栗博司教授(東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構教授と理研開拓研究所客員主幹研究員を兼務)からなる国際共同研究グループは、2つの共形場理論を「界面」でつなぐ状況を解析しました。その結果、界面をわずかに動かしたときの応答を適切に取り出すと、2つの理論の違いを生む局所的な演算子が得られることを示し、それを具体的に構成する方法を与えました。

 今回の成果は、「量子重力には外から自由に選べる連続パラメータが存在しない」という予想を裏付けるものとなっており、量子重力の根本問題の理解につながると期待されます。

 本研究成果は、米国の学術誌「Physical Review Letters」に2026年6月16日(火) (現地時間)に掲載されました。(https://doi.org/10.1103/4759-7qj2)

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