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尾上教授らの研究グループが宇宙から降る塵の歴史を解読しました。

  • 2026年5月11日(月)

ポイント

  • 三畳紀の地球(約2億4600万年前から2億1200万年前)に降り積もった宇宙塵の降下量変動を初めて復元
  • 数百万年スケールの長期変動と、マニクアガン天体衝突に対応する短期的増加を識別
  • 宇宙塵の流入が、地球環境に与える影響を解明する新たな手がかりを提示

概要

 宇宙から地球へは、微小な塵(宇宙塵)が絶えず降り注いでいます。この宇宙塵は、太陽風に由来するヘリウムの同位体(特に質量数3の3He)を多く含むことから、地球への降下量の変化を、地層中のヘリウム同位体分析から復元することができます。しかし、こうした研究は主に過去1億年程度に限られており、それ以前の宇宙塵の降下量についてはほとんど分かっていませんでした。

 九州大学大学院理学研究院の尾上哲治教授、東京大学大気海洋研究所の高畑直人助教らの研究グループは、日本のジュラ紀付加体に含まれる三畳紀のチャートを用いて、約2億4600万年前から2億1200万年前にかけての宇宙塵の降下量変動を初めて明らかにしました。その結果、数百万年スケールの長期的な変動と、約2億1600万前から2億1500万年前に起こった短期的な増加が確認されました。この短期的な増加は、小惑星の破砕によって生じた可能性があり、カナダのマニクアガン天体衝突との関連も示唆されます。

 本研究は、太陽系から地球への物質供給の関係を理解する上で重要な成果であり、これまで見落とされてきた宇宙物質流入による地球環境の長期変動を考える新たな手がかりを提供します。

 本研究成果は、日本学士院紀要(Proceedings of the Japan Academy, Ser. B)に2026年5月11日(月)に掲載されました。(https://doi.org/10.2183/pjab.102.012)

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