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緒方教授らの研究グループが量子のだるま落としで原子核を探るプロジェクトからの初成果を明らかにしました。

  • 2026年5月8日(金)

 理化学研究所(理研)仁科加速器科学研究センター核反応研究部の上坂友洋部長、久保田悠樹研究員、京都大学大学院理学研究科の銭廣十三准教授、辻崚太郎大学院生(研究当時)、大阪大学核物理研究センターの田中純貴助教、九州大学大学院理学研究院の緒方一介教授らの国際共同研究グループは、炭素12および酸素16という原子核の中に、陽子1個と中性子1個のペアが固まりになった重陽子クラスターが、従来考えられていた以上に高い確率で存在することを発見しました。

 原子核の内部では陽子と中性子がバラバラで一様に配置された液滴のような構造と考えられてきましたが、その一方、小さな固まり(クラスター)が存在する可能性(非一様性の発現)が示唆されていました。そこで、陽子を衝突させ核内部から「だるま落とし」のように粒子をたたき出すノックアウト反応を利用して内部構造を調べる「おのころプロジェクト」をスタートさせました。

 国際共同研究グループは、「おのころプロジェクト」の初の成果として、陽子ビームにより炭素12および酸素16原子核から重陽子を取り出す実験を実施し、重陽子クラスターが少なくとも30~40%以上の確率で存在することを明らかにしました。今回の成果は、原子核がどのような形で存在しているかという問いに対する新しい発見であり、安定性の起源やアルファ崩壊の理解に貢献すると期待されます。「おのころプロジェクト」からは、アルファ・クラスターや三重陽子クラスター、ヘリウム3クラスターに関する新たな実験データも得られており、原子核における非一様性が従来考えられていたよりはるかに多様な形で、かつより高い確率で発現している兆候が捉えられています。

 本研究は、科学雑誌『Progress of Theoretical and Experimental Physics』オンライン版(5月1日付)に掲載されました。(https://doi.org/10.1093/ptep/ptag046)

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