2025年11月12日、九州大学理学部は、ノーベル化学賞受賞者であり量子ドット研究の第一人者であるムンジ・バウェンディ教授(米国マサチューセッツ工科大学)をお迎えし、講演会および学生との座談会を開催しました。

講演会は九州大学伊都キャンパスの椎木講堂にて行われ、協賛企業である昭栄化学工業株式会社から、量子ドットが私たちの身近な製品にどのように応用されているかについて紹介がありました。
続いて、バウェンディ教授による講演では、量子ドット研究の最前線に加え、教授の研究者としての歩みや生い立ちについても語られました。会場からは活発な質疑応答があり、盛況のうちに終了しました。

講演会終了後、椎木講堂大会議室にて、九州大学の学生16名とバウェンディ教授による座談会を開催しました。座談会では、学生からの率直な疑問や研究に関する質問が次々と寄せられ、教授は真摯に回答し、時折ジョークを交えながら、和やかな雰囲気で進行しました。
最後には、参加学生と教授の記念撮影が行われ、学生にとって世界的な科学者と直接交流できる貴重な機会となりました。

これまでの研究過程でのメンタル面について質問したところ、教授もメンタルが弱気になった時期もあったと明かしつつ、「折れない心は経験によって培われる。ぜひ厳しいことに挑戦してほしい」と励ましてくださり、前向きに頑張ろうと思えました!
社会実装に到達するまでの基礎研究の過程や、研究者としての態度に関して、興味深くお話を伺えました。また、将来の自身の研究展開の対象の1つとして量子ドットを捉え、その新規性や強みを分析することで、よい学びと刺激が得られました。
量子ドットは光化学を専門とする私にとって思い入れの深い材料であり、授業でもたびたび紹介するほどです。今回、Bawendi先生と直接お話しする機会に恵まれ、研究の卓越性と情熱はもちろん、その温かな人柄にも深く感銘を受けました。若手教員として、学生を力強く励ましてくださったことにも心から感謝しております。この貴重な機会を実現してくださった関係者の皆様、昭栄化学工業様に厚く御礼申し上げます。