大学院理学府物理学専攻修士課程2年の廣谷知也さんが「第80回年次大会(2025)日本物理学会」において学生優秀発表賞を受賞しました。この賞は、物理学会大会での学生による積極的な研究発表を奨励し、大会の活性化を目的として設けられたものです。授賞対象は、物理学会会員である大学院生または学生会員による口頭またはポスター発表で、各領域の審査員による厳正な審査を経て選出されます。
今回の受賞は、廣谷さんの研究内容と発表が高く評価されたことを示すものであり、今後の研究活動への大きな励みとなることが期待されます。
廣谷 知也 (大学院理学府物理学専攻 修士課程2年)
Oppenheimによる相対論的半古典重力模型で予言される測地線偏差の量子ゆらぎ
近年、重力を古典的に扱いつつ量子系との相互作用を導入した半古典的重力模型として、Oppenheimによる新理論が提案され注目を集めているものの、その理解は十分ではない。本研究では、このOppenheim模型の相対論的性質に着目し、特に量子的粒子が古典的重力場中で受ける測地線偏差ゆらぎに注目して、そのスペクトルを定式化した。さらに、得られたスペクトルを具体的なパラメータの下で数値評価し、模型が予言する特徴的なスケーリングや依存性を明らかにした。