システム生命科学府 一貫制博士課程1年の安部 栄輝さんが「日本遺伝学会第97回大会 Young Best Poster(YBP)賞」を受賞しました。YBP賞は、学部生や大学院修士課程の若手研究者によるポスター発表の中から、意欲的で将来性のある研究を選抜・表彰するもので、今後の研究活動への励みとなることを目的としています。学生にとって貴重な受賞歴となるこの賞は、若手研究者の成長を支援する重要な取り組みの一つです。
今回の受賞は、安部さんの研究が高く評価されたことを示すものであり、今後のさらなる活躍が期待されます。
安部 栄輝 (システム生命科学府 一貫制博士課程1年)
挿入・欠失ループを生じる一本鎖アニーリングに対するミスマッチ応答経路の解析
抗組換え反応は、DNA二重鎖切断の修復経路である相同性依存的修復(HDR)の正確性を高める重要な仕組みである。この反応にはミスマッチセンサーMutSαとMutSβが関与するが、その分子メカニズムは十分に理解されていない。本研究において、ツメガエル卵抽出液を用いてHDRを再現し、両センサーの応答を解析したところ、いずれも抗組換え反応を誘導した。さらにHDRに伴う塩基修正では、既知の基質特異性と異なる挙動が確認された。これらの知見は、ミスマッチセンサーの基質依存的な制御機構の理解に資する。