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野下 浩司 助教らの研究グループが、弥生時代前期土器の拡散過程を定量的に検証しました。

  • 2025年2月19日(水)

    ポイント

    • 世界で初めて弥生時代前期土器の三次元データを大量に数理解析し、2 つの拡散ルートの存在を裏付けました。
    • 土器以外の人工物にも適用できる本研究の定量的数理解析手法は、考古学に留まらず様々な応用が期待できる技術です。

    概要

     九州大学 大学院理学研究院の野下 浩司 助教、名古屋大学 大学院人文学研究科の中川 朋美 准教授、南山大学 人文学部の中尾 央 教授らの研究チームは、弥生時代前期 (紀元前 500〜350 年) に西日本を中心に製作された 遠賀川  ( おんががわ 式と呼ばれる土器の三次元データを解析し、遠賀川式土器の伝播過程を明らかにしました。

     これらの研究成果は 2 月 19 日、英国の学際的論文誌「Journal of the Royal Society Interface」の Research Article として掲載されました (https://doi.org/10.1098/rsif.2024.0889)。

     本研究では、弥生時代前期の西日本で広く出土する大量の遠賀川式土器の形状を二次元および三次元的に読み取り、そのデータを数理的手法によって定量的に解析しました。大量の二次元および三次元の形状データに基づいた考古学における数理解析研究は世界初であり、今後の考古学研究や文化進化の研究を大きく変えていくだろうと考えられます。

     さらに、こうした手法は土器などの考古遺物だけでなく、他の時代の様々な人工物の形状にも適用できます。二次元および三次元データの定量的な解析とそれに基づく人工物の伝播・拡散プロセスの研究が進んでいくと期待されます。

    ※ 本件についての詳細およびお問い合わせ先は以下をご覧ください。

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