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宇都宮 准教授が 2023 年度 原子力学会 春の年会 バックエンド部会「優秀講演賞」を受賞しました。

  • 2024年5月10日(金)

 九州大学 大学院理学研究院 化学部門の宇都宮 聡 准教授が、2023 年度 原子力学会 春の年会 バックエンド部会「優秀講演賞」を受賞しました。この賞は、原子力バックエンド分野に関する、日本原子力学会またはバックエンド部会が主催・共催する行事において優れた口頭発表をおこなった個人 1 件以内に対して贈られます。

受賞者

宇都宮 聡 (大学院理学研究院 化学部門 准教授)

研究テーマ

福島第一原発由来デブリ片中のプルトニウム存在状態

研究概要

 2011 年 3 月に福島第一原子力発電所 (FDNPP) から放出された物質から微量の Pu が検出されてきましたが、これまで Pu の物理的及び化学的形態は分かっていませんでした。本報告では、FDNPP のメルトダウン時に原子炉内で生成し、原子炉から放出された高濃度セシウム含有微粒子 (CsMP) に含まれていた Pu を発見しました。Cs-pollucite が含まれる CsMP には、10 nm の U(IV)O2 ナノ粒子が含まれており、そのうちの 1 つは Zr 被覆管の断片に隣接して Pu が濃縮されていました。CsMP の 235U/238U、240Pu/239Pu、242Pu/239Pu の同位体比は、それぞれ ~0.0193, ~0.347, ~0.065 であり、FDNPP で使われていた燃料の同位体比の計算値と一致しました。福島県内の CsMP の分布と Pu の分布を比較して考えると、Pu の長距離拡散は、ナノスケールの燃料片を取り込んだ CsMP による輸送が原因になっていると考えられます。

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