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金津 瑛一郎さんが第 41 回染色体ワークショップ・第 22 回核ダイナミクス研究会「学生優秀口頭発表賞」を受賞しました。

  • 2024年2月14日(水)

 大学院システム生命科学府 一貫制博士課程 3 年の金津 瑛一郎さんが第 41 回染色体ワークショップ・第 22 回核ダイナミクス研究会「学生優秀口頭発表賞」を受賞しました。この賞は、 2024 年 1 月 29 日〜 31 日に神奈川県小田原市で行われた、第 41 回染色体ワークショップ・第 22 回核ダイナミクス研究会において、最も優れた口頭発表を行なった 2 名に与えられます。

受賞者

金津 瑛一郎 (大学院システム生命科学府 一貫制博士課程 3 年)

金津さん

研究テーマ

DNA ミスマッチ周辺ヌクレオソーム排除の試験管内再構成

研究概要

 DNA ミスマッチ修復 (mismatch repair; MMR) は、DNA 複製の誤りによって生じた塩基の誤対合 (ミスマッチ) を修復する仕組みである。真核生物の染色体 DNA はヌクレオソームを基本単位としたクロマチン構造を取っており、これは MMR にとって本質的に阻害的である。所属研究室はこれまでに、ミスマッチ周辺のヌクレオソームが、ミスマッチセンサー MutSα 依存的によって排除されること、さらにクロマチンリモデリング因子 Smarcad1 とヒストンシャペロン FACT がこの反応を促進することを発見・報告している。

 本研究では、この反応の詳細な分子機構を明らかにするために、精製タンパク質を用いて、ヌクレオソーム排除の試験管内再構成に取り組んでいる。その結果、MutSα と Smarcad1 の二者は複合体を形成し、ATP の加水分解依存的に、ヌクレオソームをミスマッチから一方向的に遠ざけるということが示唆された。この反応には、複合体の移動が重要であることが示唆された。この仕組みは、クロマチン上で MMR の修復効率を向上させるのに寄与すると考えられる。

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