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金津 瑛一郎さんが IGH Summer School/Symposium ~Genome Stability and Organization~「Best Talk Award」を受賞しました。

  • 2023年12月15日(金)

 大学院システム生命科学府 一貫制博士課程 3 年の金津 瑛一郎さんが IGH Summer School/Symposium ~Genome Stability and Organization~「Best Talk Award」を受賞しました。この賞は、 2023 年 7 月 17 日〜 21 日にフランス国立科学研究センター (CNRS)・ヒト遺伝学研究所 (Institut de Genetique Humaine: IGH) で行われた、IGH Summer School/Symposium ~Genome Stability and Organization~ において、日仏の博士学生とポストドクター 21 名のうち、最も優れた口頭発表を行なった 2 名に与えられました。

受賞者

金津 瑛一郎 (大学院システム生命科学府 一貫制博士課程 3 年)

研究テーマ

DNA ミスマッチ修復に伴うヌクレオソーム排除の試験管内再構成

研究概要

 DNA ミスマッチ修復 (mismatch repair; MMR) は、DNA 複製の誤りによって生じた塩基の誤対合 (ミスマッチ) を修復する仕組みである。真核生物の染色体 DNA はヌクレオソームを基本単位としたクロマチン構造を取っており、これは MMR にとって本質的に阻害的である。所属研究室はこれまでに、ミスマッチ周辺のヌクレオソームが、ミスマッチセンサー MutSα 依存的によって排除されること、さらにクロマチンリモデリング因子 Smarcad1 とヒストンシャペロン FACT がこの反応を促進することを発見・報告している。
 本研究では、この反応の詳細な分子機構を明らかにするために、精製タンパク質を用いて、ヌクレオソーム排除の試験管内再構成に取り組んでいる。その結果、MutSα と Smarcad1 の二者は、ヌクレオソームをミスマッチから一方向的に遠ざけるということが示唆された。この仕組みは、クロマチン上で MMR の修復効率を向上させるのに寄与すると考えられる。

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