大学院理学府 化学専攻 博士後期課程 3 年 (受彰当時) の梅野 圭太郎さんが「九州大学学生表彰 (学術研究活動表彰)」を受彰しました。この表彰は、学術研究活動で特に顕著な業績を挙げ、高い評価を受けた学生を表彰するものです (学生表彰規程第 2 条適用号 第 1 号)。本年度は 21 名の修了生が対象となり、春季学位記授与式にて表彰されました。
梅野 圭太郎 (受彰当時：大学院理学府 化学専攻 博士後期課程 3 年)
Synthetic Study of the WXYZA'B'C'D'E'F' Ring Segment of Maitotoxin （マイトトキシンの WXYZA'B'C'E'D'F' 環部の合成研究）
マイトトキシン (MTX) は、渦鞭毛藻 Gambierdiscus toxicus から単離された梯子状ポリエーテルであり、極低濃度で細胞内への Ca2+ 流入活性を示す。MTX の W-F' 環部は、核間メチル基が連続した部分と八員環エーテルを含む構造を有するため、合成が困難であり未だに達成されていない。受賞者は、二環構築型収束的合成法である α-シアノエーテル法を応用することで C'-F' 環部および W-Z 環部から側鎖を含む W-F' 環部を初めて合成することに成功した。