大学院理学研究院 地球惑星科学部門の尾上 哲治 教授と佐藤 峰南 助教が令和 5 年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「科学技術賞 (研究部門)」を受賞しました。文部科学省では、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者を「科学技術分野の文部科学大臣表彰」として顕彰しています。その中でも「科学技術賞 (研究部門)」は、我が国の科学技術の発展等に寄与する可能性の高い独創的な研究又は開発を行った者が対象です。4 月 19 日 (水曜日) に文部科学省にて表彰式が開催されます。
尾上 哲治 (大学院理学研究院 地球惑星科学部門 教授)
佐藤 峰南 (大学院理学研究院 地球惑星科学部門 助教)
地質時代を通した宇宙物質流入と地球生命史に関する研究
本研究は、日本の深海底堆積岩を対象として、地質時代における宇宙物質流入量の時間変化を復元するための年代決定手法と化学分析技術を開発したものです。本研究により、過去 3 億年間の深海底堆積岩から、これまで未報告の小惑星衝突イベントと宇宙塵の大量流入イベントを発見しました。これらのイベントが発生した時代には、突発的な化石の絶滅や進化が記録されており、宇宙物質流入量の変動は、気温や大気組成の変動と同じく、地球生命史において重要な役割を持つことを示しました。