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金津 瑛一郎さんが第 26 回 DNA 複製・組換え・修復ワークショップ「最優秀学生発表賞」を受賞しました。

  • 2022年12月27日(火)

 大学院システム生命科学府 一貫制博士課程 2 年 (受賞当時 一貫制博士課程 1 年) の金津 瑛一郎さんが第 26 回 DNA 複製・組換え・修復ワークショップ「最優秀学生発表賞」を受賞しました。この賞は、令和 3 年 (2021 年) 10 月 22 日〜 23 日にオンラインで開催された「第 26 回 DNA 複製・組換え・修復ワークショップ」において、修士課程・博士後期課程学生を合わせた 16 名の口頭発表者のうち、最も優れた 1 名に贈られます。

受賞者

金津 瑛一郎 (大学院システム生命科学府 一貫制博士課程 2 年、受賞当時:一貫制博士課程 1 年)

研究テーマ

ミスマッチ修復を促進するヌクレオソームリモデリングの試験管内再構成

研究概要

 ミスマッチ修復 (MMR) は、DNA複製の際に誤った塩基が取り込まれることで生じる塩基誤対合 (ミスマッチ) を修復する仕組みである。一方、真核生物では DNA はヒストンに巻き取られ、ヌクレオソームを基本単位としたクロマチン構造を取っており、これは MMR にとって本質的に阻害的である。当研究室はこれまでに、ミスマッチ周辺のヌクレオソームが、ミスマッチセンサー MutSα 依存的な反応によって排除されること、さらにこの反応がクロマチンリモデリング因子 Smarcad1 やヒストンシャペロン FACT によって促進されることを発見・報告している。
 本研究では、この反応の詳細な分子機構を明らかにするために、精製タンパク質を用いて、ヌクレオソーム排除の試験管内再構成に取り組んでいる。その結果、MutSα と Smarcad1 の二者はミスマッチ依存的にヌクレオソームの構造変化を引き起こすということ、この構造変化はヌクレオソームからの一部のヒストン分子の抜き出しであるということが示唆された。また、ここに FACT が加わることで、さらにヌクレオソームを不安定化させ、DNA へのアクセシビリティを高めるということが示唆された。

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